シナーがジョコビッチから初勝利で2連勝「重要な瞬間に勇敢で賢くプレーできた」 [Nitto ATPファイナルズ]

写真はディフェンディング・チャンピオンを倒して2連勝を飾ったヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月12~19日/賞金総額1500万ドル/室内ハードコート)の大会3日目に行われたグリーン・グループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦で、第4シードのヤニク・シナー(イタリア)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に7-5 6-7(5) 7-6(2)で競り勝ち2連勝を飾った。

 4-5から3ゲームを連取して第1セットを先取したシナーはタイブレークの末に第2セットを取り返されたが、ふたたびもつれ込んだ第3セットのタイブレークで迎えた2度目のマッチポイントでスマッシュを叩き込んで過去3戦全敗だったジョコビッチから初勝利を挙げた。

 ジョコビッチはカルロス・アルカラス(スペイン)に惜敗した7月のウインブルドン決勝から負けていなかったが、連勝は「19」でストップした。第3セットで先にサービスダウンを喫したジョコビッチは直ぐにブレークバックして意地を見せたが、タイブレークでは相手の勢いを止めることができず3時間9分で押しきられた。

「これはプロセスの一部だ。試合中のある瞬間で少し余計に自信を持ているようになったと感じている。それでも(ミスが出た)第2セットのタイブレークのように、まだまだ学ぶべきことはたくさんある」とシナーは試合後のオンコートインタビューで語った。

「第3セットでは特にだけど、僕は重要な瞬間に勇敢で賢くプレーできたと思う。お互いにサービスがよかったからラリーはそんなに多くなかったけど、打ち合いになったときは2人とも凄くいいプレーをしていた。本当にハイレベルな試合だった」

 今季10度目の対トップ10勝利を挙げた(5敗)シナーが世界ナンバーワンの選手に勝ったのは、アルカラスを倒した3月末のマイアミ準決勝以来でキャリア2度目となる。

「(ジョコビッチに対する初勝利は)僕にとって大きな意味がある。グランドスラム大会を24回制した世界ナンバーワンの選手に勝ったんだから、間違いなく最高の結果だ。本当に戦術的な試合で、何とか勝つことができたから凄くうれしいよ」

 グループステージ1勝1敗で第3戦を迎えることになったジョコビッチは、「重要なポイントで彼(シナー)は果敢にポイントを取りにきたことが主な違いだったと思う。彼のほうが勇敢だった。僕は大事な場面でアグレッシブさと決定力が足りなかったから、彼が勝ったのは当然だ。僕は彼が主導権を握るチャンスを与えてしまった。第3セット5-5からのレシーブゲームで15-30のセカンドサーブだったときに僕はラリーで攻めていくべきだったのにそうしなかったけど、彼はやったんだ」と試合後の記者会見で試合を振り返った。

「彼を称えるしかない。彼は素晴らしい試合をした。(試合後の握手の際に)ネット際で彼にそう言ったんだ。重要な瞬間に彼は最高のプレーをしたと思うし、間違いなく勝利に値するよ」

 腰のケガを理由に第8シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)に対する試合を第1セット1-2となった時点でリタイアした第6シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が次戦を棄権したため、ジョコビッチは第3戦で繰り上がり出場が決まったホベルト・フルカチュ(ポーランド)と対戦することになった。

 ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。

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写真◎Getty Images

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