パオリーニがセレナ以来の快挙もフレンチ・オープンに続いて決勝敗退「いつかきっと勝てると思うけど…」 [ウインブルドン]

写真は女子シングルス表彰式で準優勝プレートを受け取るジャスミン・パオリーニ(イタリア/左)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、第31シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)が第7シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア)を6-2 2-6 6-4で倒して新チャンピオンに輝いた。

 2度ずつブレークし合ってセットを分け合ったあと第3セット3-3からクレイチコバが相手のサービスゲームを破り、5-4からのサービスゲームで2つのブレークポイントを凌いだ末に3度目のチャンピオンシップポイントをものにして1時間56分で歓喜の瞬間を迎えた。

 昨年まで四大大会で2回戦より先に勝ち進んだことがなくツアーレベルのグラスコートで未勝利だったパオリーニはイガ・シフィオンテク(ポーランド)に2-6 1-6で敗れた先月のフレンチ・オープンに続くグランドスラム決勝だったが、今回もタイトルに届かなかった。

「今日のことを受け入れ、また一生懸命努力しなければならない。私はいつかきっと勝てると思うけど、今日はあと少しだったのに足りなかったから話すのは難しい」とパオリーニは試合後の記者会見で語った。

「正直に言って彼女は第1セットで凄くいいプレーをしていた。サービスが本当によかった。ファーストサーブの確率もよかったから厳しかった。前回(フレンチ・オープン)の決勝よりはいいプレーができたと思うけど、それでもまだ十分じゃなかった」

 昨シーズンにトップ30入りしてWTA(女子テニス協会)のもっとも上達した選手賞にノミネートされたパオリーニは、年が明けて一気にブレークスルーを果たした。

 2月のドバイでWTA1000のタイトルを獲得したパオリーニは2016年のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)以来となるフレンチ・オープンとウインブルドンの2大会連続決勝進出で次週にトップ5デビューすることが確実となり、シーズン末の女子トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」の出場権を争うレースランキングではシフィオンテクとエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)に次ぐ3位に浮上する見込みとなっている。

「私はウインブルドンで決勝に進出したことをまだ実感していない。素晴らしいことだけど、今はもちろん少しがっかりしている」と心境を明かした。

「今年は信じられないようなシーズンになっている。楽しんでいるし、これレベルのテニスを続けていきたいと思っている。この集中力、このレベルを維持できるよう努力するつもりよ」

 2週間後にはロラン・ギャロスでパリ五輪テニス競技が開幕するが、パオリーニは有力なメダル候補として戦いの舞台に戻ることになる。

「このレベルをできる限り維持することが私とチームの目標なの。このレベルを維持できれば素晴らしいことをやってのけるチャンスがあると思う。それができなければいい結果は得られない」

 しかしながらここ数ヵ月で状況が一変したパオリーニは、「今は何を夢見ればいいのかわからない。今日はトロフィーを手にすることを夢見ていたけど、うまくいかなかった」と戸惑いを隠せなかった。

「今はただ世界5位のポジションを楽しむわ。正直に言って信じられないことだから。2つのグランドスラム大会で決勝に進出したなんて、結果にも満足しなければならないと思う」

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写真◎Getty Images

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