「まだ見ぬ17歳の地図」錦織圭インタビュー2006年末

10月のメキシコでのフューチャーズ大会での優勝は、その後の彼のスケジュールをがらりと変えた。「ジュニア大会にはもう出ない」——コーチらと話し合っての決定だが、本人も十分に納得している。
「エディハーとかオレンジボウル(※ともに18歳以下のジュニア大会)に出る予定だったのが、出なくなって。でも、それ(フューチャーズでの優勝)ですごい自信がついたので、フューチャーやチャレンジャーのレベルでは、やれるという自信がついて。だから、来年(2007年)はチャレンジャーで勝っていけるようになりたいです」
今はジュニア大会よりもプロの大会での方が「自分のプレーができる」と言いきる。
「これは自分の問題なんだけど、ジュニアだと勝たなきゃと思いすぎて。そこは自分をもっと強くしないといけないのかもしれないですけど、逆にプロの大会だと思いきりできる。だから、やりやすいっていうか、プレッシャーがない分、やっぱり自分のプレーができますね」
2006年の年末ランキング605位。これを200位台にするのが、2007年の目標だとも言う。
テニスプレーヤーとして将来、目指すところは? という質問に、しばらく考えたあとの言葉が「トップ10」。ジュニアではタイトルも獲得したグランドスラムだが、プロがひしめく本当のグランドスラム大会に立つ自分はまだ思い描いたこともないと気負うことなく言う。
一通りの質問を終えた私に、「じゃあ、こういう質問してほしい。『賞金もらったら、何に使いたいですか?』」と無邪気にリクエストをしてきた。
——何に使いたいですか?
「これ言ってもいいかな? 親に家を買ってあげたいです」
隣に座った清志さんが「本当にそうだと思うけど、まだ証拠がないけん」と笑いながら受け流す。
この取材が行われた2日後、クリスマスも待たずに、錦織は島根からフロリダへ旅立った。米子空港から羽田へ、羽田から成田へ、そして成田からアメリカへ。アメリカ国内での乗り換えも含めると、3度のトランジットを経て、丸一日以上もかかる長旅だ。
年末年始も、12月29日の誕生日もアカデミーで過ごす。
「なんか12月はプロもけっこういっぱいIMGにくるみたいで。これからみんな、トレーニングするので、たぶんいっしょに練習できそう」
今頃はコートでまた勝負師の顔を見せているだろう。テニスの才能に恵まれた彼が、本当にテニスを好きになった今、どんな練習を積んで、次に私たちの前でどんなプレーを見せてくれるのか。まだまだ無限の可能性を秘めた彼のテニスを目にする時を、楽しみに待っていたい。
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