プレーヤーはコーチは、コートで何を見て何を探ればよいのか?_クリス・ケイチェル第1弾
コーチの着眼点
彼らはどこにボールを打っている?
モデルとなったジュニアたちが最初どこにボールを打っていたかというと、多くは2番の「深いダウン・ザ・ライン」でした。コート上には7つのターゲットがありましたが、その意味などを知らされていない彼らは、それを使おうともせず、打ちたいボールを打ちたい場所に打つだけでした。誰もドロップショットを打ちません。ここでコーチが7つのターゲットの話とともに、球出しのボールと自分の状況に応じてターゲットを選び、リカバリーをするという話をすると、彼らは7つのターゲットのどれを使えばリカバリーまでできるかを考えてプレーし始めました。
プレーヤーの着眼点
ターゲットの選択でリカバリーも変わる
ディフェンスの状況で打つバックハンドスライスです。そこで強くて速いスライスを打とうとすると、ターゲットを狙う精度が落ちたり、ボール軌道が低くなって浅くなったり、ネットにかけたりしてしまいます。そして、リカバリーも十分できません。
ミスをしたらミスをしないように、ということではなく着眼点は、自分が置かれた状況で正しい選択をしているかどうかです。ディフェンスの状況では、7つのターゲットの4番「ディフェンス」を狙い、チェックポイントとしてはもう少し高いボール軌道にして深さを出し、時間をつくり、打ったあとは素早くリカバリーをします。
打った方向によってリカバリー・ポジションは変わり、移動距離も変わってきます(下部に参考写真)。4番の「ディフェンス」へ打てば、クロスコートからクロスコートへ打つことになるので移動距離は短くすみますが、もしも2番の「深いダウン・ザ・ライン」へ打てば逆のクロスコートまで移動しなければならず、センターを越えるところまで移動することになります。つまり移動距離が長くなり、ますます時間がなくなって苦しくなるのです。
ステップ11|正確性のないターゲットについて反復練習
ここまで行ってきた7つのターゲットを狙う練習の中で、特にショットの正確性が低いもの、狙えていないターゲットがあるかどうか確認し、それについて重点的に反復練習をします。
コーチの着眼点
プレーヤーの選択とショットの質を見る
プレーヤーがどういう意図でショット(ターゲット)を選択し、そのショットの質はどうだったかを見てください。たとえミスショットでも、選択が正しければ正しいと伝えます。そしてミスを改善するためには何が必要かを考えます。ボール軌道を高くするとか、回転量を増やすなど、できる限りポジティブなアドバイスをして、練習をしていきます。
コーチの着眼点
ショットの質が低いとき、マインドセットする
プレーヤーの集中がいまひとつで、ショットの質が低い場合、コーチはそれをそのままにしないことです。例えばこういう声がけはどうでしょうか。「マッチポイントだと思ってプレーしましょう。マッチポイントは、失敗してはいけないポイントということではなく、せっかくのチャンスですから自由にプレーしましょう」。これを言ったあと、ジュニアたちは非常にいいラリーをしました。マインドセット、考え方次第でプレーの質は変わります。常にチャレンジさせるということに重きを置いて練習を進めましょう。
ステップ12|ラリーの中でターゲットを選択
プレーヤーは1対1でラリーをし、その中でバックハンドスライスを使っていきます。コーチは、片方のプレーヤーのバック側に1球目の球出しをし、それをバックハンドスライスでクロスに打たせます。もう一人のプレーヤーはそれに対してバックハンドスライスで返球しますが、どこへ何を選択してもいいです。そのあとはポイントを争います。
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