コンチネンタルグリップとスイングの加速で回転をかける【本誌連動記事&動画】
POINT3
運動したい方向に対して反対動作がある
肩と腕の使い方もよく見ておきましょう。イメージしてほしいのは昔の体温計を振る動作、あるいは手を洗って水を切るときなどです。普通は「写真○(右から左へ見る)」のような動作となります。これは肩・上腕の内旋と前腕の回内から始まり、外旋と回外が入って、また内旋と回内というように、反対動作から始まっています。ところが「写真×」は、いきなり肩・上腕を外旋、前腕を回外した状態です。ここから体温計を振る人、水を切る人はいません。
人間は、動作したい方向に対して反対動作があるのが自然で、サービスでもトロフィーポーズというのは(写真上のように)肩・上腕が内旋し、前腕が回内状態にあることが重要です。それが反対動作であり、そこから回転運動が続いていきスイングが加速し、腕がムチのように振られていきます。
体温計を振る動作、水を切る動作をイメージしよう。人は運動したい方向に対して反対動作から始める
いきなり肩・上腕を外旋、前腕を回外して体温計を振る人も、水を切る動作をする人もいない
トロフィーポーズでは肩・上腕が内旋し、前腕が回内状態となる
このあと運動は続いて(写真下)肩・上腕は外旋し、前腕が回外状態となり(写真左端)、さらに腕の回転が続いていき、エネルギーが大きくなってスイングが加速していく
POINT4
インパクトで手首はまっすぐではなく、くの字
腕が回っていく中でインパクトの位置を確認します。フェンスや柱など一直線上をチェックできる場所を探し、写真のように立って、インパクトの形をつくります。「写真○」は左足、右肩、インパクトが一直線上にあり、ただし手首は「くの字」をつくり、直線よりも右側にあることがわかります。これが正しいインパクトの姿勢です。
一方「写真×」はどうでしょうか。体が前を向いてつま先も前向き、左足、右肩、腕、手首、インパクトが一直線です。手首は伸びきってしまっています。この姿勢はスイングが加速しません。
厚いグリップで羽子板打ちの人、あるいはそもそもすべては“一直線”だと勘違いしている人は、このような姿勢をとりがちですが、これは腕を加速させる動作とはまったく違います。最初にグリップを薄くして、正しいインパクトを理解することが非常に重要です。
手首はくの字で、直線より右にある(○)
体は横向きで、つま先、右肩、インパクトが直線上にある。スイングが加速してインパクトを迎え、このあとも腕、手首は回っていくことになる
手首はまっすぐで、線上にある(×)
体は前向きで、左足、右肩、腕、手首、インパクトがすべて直線上にある。腕、手首はすでに伸びきっており、スイングを加速させることはできない
POINT5
鈴木貴男プロ推奨のアンダーサービスから始めるスイングの加速
この練習は、鈴木貴男プロが行うサービスのウォーミングアップです。全身をリラックスさせ、ときに歩きながら行い、運動連鎖、スイングの加速、回転などの調子を上げていきます。
グリップを薄く緩く握って、スイングを加速させ、回転をたくさんかけます。できるだけボールを曲げて飛ばしてみてください。
最初はアンダーサービスから始めます。ゴルフのスイングのように低い場所で打ち、ボールを曲げようとすると、スイング方向と打球方向がずれることがわかります。もっとボールを曲げようとすると、もっとグリップを薄くしようと思うはずです。
続いて、徐々に打点を上に上げていきましょう。スイングは基本的に同じで、薄いグリップでスイングを加速すると、どの打点でも腕が回ります。これがサービスの基本動作となります。打点を高く上げればサービスになり、顔は上を向きます。
この回転がたくさんかかったサービスをベースに変化を加えて種類を増やし、コースを狙っていきましょう。
アンダーサービスで思いきり回転をかける
徐々に打点を上げる
グリップとスイング速度は変えない
サービスの打点まで上げる
低い場所で覚えたスイングの加速は、高い場所に上げるとサービスになる
ヒント!
思いきりボールを曲げようとしてほしい
グリップが厚いと面は下を向くのでアンダースピンはかからず、手首の可動範囲も狭いのでスイングは加速しない。ボールを思いきり曲げるという目標をクリアするためには、グリップを薄くするよりなく、そうするとほとんどの人が自然に薄いグリップに挑戦するようになる。グリップを薄くすると面は上を向いてアンダースピンがかけやすい。手首の稼働範囲が広いので、スイングを加速させるとより回転がかかる。運動の最後に腕は必ず回る
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