鈴木貴男プロ_“運動連鎖”があなたのサービスを変える_ムダな動きをしていませんか?

一般の方と交流するイベントや機会が増え、みなさんがサービスでどんな問題点を抱えているかがわかってきました。今回はその中で、もっとも重要な動作といえる“運動連鎖”を紹介します。これが正確にできないと、いいサービスは打てません。【2017年9月号掲載記事】

指導◎鈴木貴男プロ

(※プロフィールは当時ママ)
すずき・たかお◎1976年9月20日、北海道生まれ。6歳からテニスを始める。数々のジュニアタイトルを獲得し、95年4月にプロ転向。世界レベルのサーブ&ボレーを武器に、全日本選手権を3度制覇。長きにわたりデビスカップ日本代表のチームを牽引。今年6月のグアムフューチャーズでは決勝進出。40歳になった今も第一線で活躍中。ATP自己最高102位(98年11月23日付)

写真◎小山真司、Getty Images、BBM 撮影協力◎昭和の森テニスセンター

サービスの修正をパーツごとに行っていないか?

トスが高く、変な“間”ができていないか?

手と足の動きがバラバラになっていないか?

スタンスが狭く、棒立ちのままになっていないか?

 ラリー中の技術は、相手のボールに対してできる動作が“制限”され、一方、ボールの力をうまく利用することができます(相手の強打をフラット気味に当てるなど)。

 対するサービスは、止まった状態から始まる技術です。自分の動作ひとつで何でもできてしまうため、無駄な動作が入りやすく、必要ない力みが出やすい技術と言えます。

 サービスに苦しむみなさんの考えを推測するとこうです。「ボールの“当て方”に必死になりすぎる」。これではもっとも大切な“運動連鎖”はできません。修正箇所をパーツごとに見てしまい、身体全体の動作がバラバラになる――これではいいサービスは打てませんし、いずれケガにもつながるでしょう。

 今回はみなさんのサービスを根本的に変える“運動連鎖”にフォーカスします。これは、無駄な動作が入り込みやすいサービスの修正法です。この動作がスムーズに力感なくできるよう、身体に染み込ませましょう。

これが “運動連鎖” だ!

 運動連鎖とは、ポジションについてラケットを構えるところから打ち終わるまでの動作を“一連の流れで行う”こと。無駄な動作や間ができるということは、運動連鎖が正常でないことを意味します。運動連鎖とは、身体全体を使ってエネルギーを生み出し、打つ際にパワーをボールに集約する動きです。

Check!
サービスの動作は“構える前”から始まっている!

 運動連鎖をイメージしやすい選手がロジャー・フェデラー。彼はボールをついてラケットを構える前に行う前方方向への揺れから、ひとつの“サービスの動き”が始まっています。前傾姿勢を取って振り子のように反動をつけ、その後の動作は自動的で再現性が高く、流れるようにフィニッシュします。一瞬たりとも間が空くことはありません。

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