忘れがたきタイブレーク(1) 史上最高の試合「ナダル対フェデラー」|2008年ウインブルドン決勝

“一段上のギア”を出し、フェデラーがタイブレーク2つを制した
2008年ウインブルドン決勝で、やんちゃなスペイン人は、当時トレードマークだった長めのショーツにノースリーブのシャツを身にまとい、えげつないトップスピンのフォアハンドを武器に6-4 6-4とリードを奪う。ビヨン・ボルグの持つウインブルドン5連覇(1976~80年)の最多記録を何としても破りたいと思っていたフェデラーは、反撃して第3セットのタイブレークで4本のサービスエースを放ち、7-5で取った。
フェデラーは当時、2003年ウインブルドンからタイブレークで23勝3敗という、途轍もない記録を残していた。フレンチ・オープン以外のグランドスラム決勝は12連勝だった。しかし、決勝の前、フェデラーは少し弱々しく「必要になったとき、ギアを一段上げられるパワーがあればいいと願っている」と話していた。
第4セットでも息詰まるタイブレークになり、フェデラーは、あの“一段上のギア”がこのときこそ必要だった。素晴らしいショットの応酬で、センターコートの観衆はすでにかなり盛り上がっていた。ポイント間、エンドチェンジの間でさえも、「ラファ! ラファ!」という声援のあとに「ロジャー! ロジャー!」というチャントが聞こえてきた。
タイブレークを先制したのはフェデラー。フォアのパッシングショットでミニブレークをして1-0リード。ナダルもフォアのウィナーやサービスエースなどで4ポイントを連取し、応戦した。
あと3ポイントで敗退から、フェデラーは次の6ポイントのうち5ポイントを奪い、6-5とリードした。フェデラーのセットポイント。だが、長いラリーの末にフェデラーがフォアをアレーに打ち込んだことで6-6。さらにフェデラーのフォアが大きくベースラインを超えて7-6でナダルのマッチポイント。フェデラーは強烈なサービスで7-7に持ち込む。ナダルはダウン・ザ・ラインにフォアをたたき込んで2つ目のマッチポイントを迎えた。
「自分がいるべき場所にいると思ったし、ウインブルドンを制するかどうかの瀬戸際だった。ところが自分のキャリア全体の中でも、自分が勝つ前に勝ったと思ってしまった、ひどい、本当にひどい瞬間だった。僕の気持ちは高ぶってしまい、テニスで忘れてはならない黄金の掟を忘れてしまったんだ。ほかのどのスポーツよりも、テニスは試合終了の瞬間まで終わっていないということだ」とナダルは自伝の中で振り返っている

ボルグが持つ5連覇の記録を破ろうとしていたフェデラーは、マッチポイントを含むタイブレーク2つを制して、闘いを終わらせなかった
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