あなたはどちらのリターンサイドで戦うべきか? デュースサイドとアドバンテージサイドについて考える
from U.S.A
ダブルスのスペシャリスト トーマス嶋田に聞く。(元日本デ杯代表)
デュースサイドは「ムードメーカー」、アドサイドは「フィニッシャー」の役割
トーマス嶋田
◎1975年2月10日生。米フィラデルフィア出身。ダブルススペシャリストとして活躍し、ダブルスの自己最高世界ランクは40位(01年9月)。右利きでバックハンドは片手打ち
――現役時代は主にどちらのリターンサイドでプレーしていましたか?
「私はジュニア時代も、そしてプロになってからも主にデュースサイドでプレーしていました。でも、私の初めてのデ杯、ATPツアー初優勝の試合はアドサイドでした」
――主にデュースサイドでプレーしていた理由は何ですか?
「とても心地よくプレーできたこと。そして何よりバックハンドボレーに自信を持っていました。特にパートナーがリターンを打ったあと、デュースサイドからのポーチには自信があったからです。どうしてデュースサイドから始めたのかは憶えていませんが、すぐに自分にはバックハンドのインサイドアウトのショットが合っていると気づき、その後も自分のアドバンテージショットとなりました。それから、多くの選手がアドサイドを好むことが多かったため、自分がデュースサイドであることがとても大きく、パートナーを決める際にはとても役立ちました」
――アドサイドを選ばなかった理由はありますか? こういうショット、あるいはプレーが苦手だったから嫌だったとか。
「プロのレベルでは、一番大事なポイントで、どれだけ自分のベストショットが出せるかということが重要ですから、何ができないからという理由ではなく、自分のベストショットが打てるという理由でデュースサイドで戦っていました」
――読者に対し、どちらのリターンサイドで守ったほうがよいか、アドバイスなどあれば教えてください。
「まず、自分でどのようなショットを、どちらのサイドで多く打ち、どれくらいうまく打てるかを理解し、自分のプレーに合っているかどうかを判断することが大事だと思います。もちろん、どちらのサイドも同じくらいうまくできるようになることがベストですが、どちらのサイドもそれぞれ、とても大事なショットがありますから、それらを理解して、そのショットを練習する必要があります」
――デュースサイド向き、アドサイト向きというのは実際、あるのでしょうか?
「レクリエーショナルレベルでは、デュースサイドのフォアハンドのショットがとても大事でしょう。次に大事なのは、セカンドショットを自分がベースラインからどのように打っているか(フォアで打つことが多いか、バックで打つことが多いか)を理解すること。それから自分がリターンを打つときパートナーをどのようにして助けられるか、どちらのポーチが自信を持って出られるかなどを理解する必要があると思います」
――リターンがうまく、勝負強いほうがアドサイドを守ることが多いと言われていますが、そう思いますか?
「普通はリターンの強い選手のほうがアドサイドになることが多いように思います。それはゲームポイントがアドサイドにかかることが多いからです。でもそれと同様に、デュースサイドの選手のほうが多くポイントに関わります。私はデュースサイドはリターンゲームの雰囲気をつくり上げる〝ムードメーカー〞、そしてアドサイドはゲームを決定づける〝フィニッシャー〞という役割があると考えています。でも、やはり最終的に一番大事なことは、ダブルスは2人で戦うもので、パートナーとのチームワークが何よりも重要だと思います」
Did you know?
リターンサイドは変更可
試合の中でリターンサイドは変えることができる。どうしても今日はうまくいかない、あるいは劣勢で気分転換したければサイドを変更してみよう。ただし、セットの途中は不可でセット終了後が条件。第1セットはデュースサイド、第2セットはアドサイドで戦うこともできるのだ。
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