あなたはどちらのリターンサイドで戦うべきか? デュースサイドとアドバンテージサイドについて考える
4|フォアボレーとバックボレー どちらのボレーが出やすいか?
パートナーのリターンが相手コートに返った際、ネット付近にいればボレーのチャンスが生まれる。このとき、デュースサイドを守っているならバックボレー、アドサイドならフォアボレーで打つ確率が当然高い。そのため、バックボレーでポーチに出たいのならデュースサイド、フォアボレーで出たいのならアドサイドが好ましい。
右利きと左利きプレーヤーが組む際、昔は右利きがデュースサイド、左利きがアドサイドが多かったと述べたが、最近は逆のパターンも多い。左利きがデュースサイドに入れば2人ともポーチに出たり、センターにボールを集められたとき、フォアボレー(フォアハンドストローク)で処理できる確率が高くなるからだ。ダブルスの鉄則はセンターセオリーである。ただ、コートの外側を固めるという考え方もあり、そうなるとこの布陣は2人ともにバックボレー(バックハンド)になる。
左利きプレーヤーがデュースサイドを守れば、2人ともフォアでセンターを守ることができる
デュースサイドからのセンターへのポーチはバックボレーとなる
Voice
「アドサイドだとフォアボレーで出られるから、パートナーにお願いしてアドサイドを守っている」(一般)
「僕は左利きでパートナーは右利き。センターをお互いがフォアで守れるから、僕はデュースサイドで、パートナーがアドサイドを守っている」(一般)
「センターセオリーを重視するなら、フォアハンドを強く打てるほうがアドサイドのほうがいいかもしれない」(指導者)
「バックからポーチに出るほうが安心感があるので、私はデュースサイドが守りやすい」(プロ)
鈴木貴男&岩渕 聡(デ杯ダブルス日本最多勝利ペア)
アドサイド/岩渕 聡
「僕がアドサイドをやっていた理由は、ジュニアの頃から(鈴木)貴男と組むことが多く、それが当たり前になっていたからですね。でも外国人選手と組んだときに何度かデュースサイドをやりましたが、それほど違和感はありませんでした。
僕は左利きですが、アドサイドでよかった点は、相手のキックサービスをクロスにもストレートにも強打できたこと。それとフォアハンドのアングルショットが得意でしたから、それをアングルに沈めて貴男に決めてもらうパターンが多くありました。アドサイドにはゲームポイントが多くかかりますが、その点だけは性格上、合っていなかったように思います(笑)。
アドサイドで苦労した点は、それほど厳しくない相手のボレーがコート中央に来ているのにもかかわらず、バックバンドで効果的に攻撃できなかったこと。逆に、デュースサイドで苦労した点は、ワイドに切れていくスライスサービスに対してのリーチの狭さでしたね。左利きだから対応に苦労した
ものです」
デュースサイド/鈴木貴男
「僕は圧倒的にデュースサイドが多かったです。岩渕さんと組んでいた時間が長いっていうのは一番の理由ですが、リターンを返した次の突き球を僕はフォアハンドで打ちたいし、岩渕さんも(左だから)フォアハンドで打てましたからね。サービスでワイドに振られたときも力を入れてクロスに角度をつけてリターンができたし、ストレートに打つこともできました。それができなければデュースサイドはやっていないでしょうね。
僕は片手打ちのバックハンドですけど、バックに高く弾むサービスに対してはデュースサイドから前でさばいていましたね。アドサイドよりも前で打てるから。あとはデュースサイドのほうがリターンダッシュしやすかった。これはステップと方向性の問題かな。レベルにもよるけど、一般的には勝負強く、そこでエネルギーを出せる選手がアドサイドを守ったほうがいいかもしれないですね。ただ、その逆の考えもありますから、一概には言えないですね」
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