森井大治_サーバー側前衛のストレートアタック対処法
サーバー側前衛が狙うボレーのコースは3ヵ所
ここまでデュースサイドの2つの局面を例に挙げましたが、次は実際にサーバー側前衛が3球目でどのようなボレーを、どのコースに打てばいいかを考えていきます。
狙うコースは主に3ヵ所。ストレート、センター、そしてアングルです。オプションでストレート方向のドロップショットもアリですが、基本的にはこの3ヵ所を狙って打てるように練習しましょう。
ストレートアタックに対するボレーのコースはストレート、センター、アングルの3つが基本。上写真はデュースサイドのサーバー側前衛を想定したもの
まず、ストレート方向にボレーで返す状況を考えると、この場合、リターンが速いときによく使います。ボールに角度をつける余裕がなく、かえってミスが発生しやすいシチュエーションなので、相手の強打をそのまま飛んできた方向に返し、局面をイーブンにする意味合いがあります。相手がポイントを決めにかかる場面でそつなく返す技術も試合で役立つので、使えるようにしてください。
ストレート
ストレートに返すときは、リターンが速く返ってきたときに使うことで、イーブンの状態、もしくは優位の状態をつくる。ボレーするときもラケット面は立てずにシンプルに返球
201908 森井大治_サーバー側前衛のストレートアタック対処法
youtu.beセンターとアングル
センターとアングルへのボレーは、攻撃を仕掛ける意図で使います。センターを狙えば、オープンコートに決めることができますし、アングルは相手前衛に揺さぶりをかけるのに効果的です。試合でこれら3つのコースを打ち分けられるように、普段の練習から試してください。
201908 森井大治_サーバー側前衛のストレートアタック対処法
youtu.beサーバー側前衛のドリル1
球出しから3方向へのボレー練習
201908 森井大治_サーバー側前衛のストレートアタック対処法
youtu.be【練習方法】球出しは「ワイド」または「センター」に立ち、試合を想定して強めのボールを配球する(相手レシーバーのリターンを想定)。ボレーヤーは打つ前に球出し役の立ち位置に合わせてポジショニング。球出しがボールを3球ずつ同じコースに打つので、、ボレーヤーは「ストレート」「センター」「アングル」と順にコースに打ち分けていく。球出しはワイドとセンターから球出しをし、デュースサイドだけでなく、アドサイドからも行う。
サーバー側前衛のドリル2
ストレートからきた強打を3方向へ打ち分ける
201908 森井大治_サーバー側前衛のストレートアタック対処法
youtu.be【練習方法】デュースサイド(アドサイドでもOK)のベースライン付近にストローカー、ネット際にボレーヤーが立つ。球出しがベースラインに立つプレーヤーにボールを手出しして、そのボールをストレートアタックする。ボレーヤーは強打を「ストレート」「センター」「アングル」に打ち分ける。こちらもデュースサイド、アドサイドともに行う。
ADVICE!
試合を想定して練習を独自でアレンジ!
サーバー側前衛のストレートアタックに対するドリルを紹介しましたが、3つのコースを打ち分ける練習を行うことで、選手ひとりひとりの苦手なコースがわかるようになります。これがわかれば、個々に練習内容を変えて行うことができますし、選手自身も意図を理解しながら技術の習得に励むことができます。
シングルスと比べてダブルスの練習量はそれほど多くなく、特に一般プレーヤーはダブルスの実戦だけというケースがほとんど。試合の局面をそれぞれが設定することで、効率よくレベルアップを図りましょう。
森井大治|プロフィール
もりい・だいじ◎1967年8月4日生まれ、千葉県出身。八千代高から早稲田大に進学し、89年全日本学生テニス選手権(インカレ)優勝。卒業後にプロ転向し、サーブ&ボレーを武器に活躍した。日本ランキング最高位は単7位、複9位。引退後はユニバーシアードのコーチ、監督を務め、2004年に早稲田大テニス部ヘッドコーチに就任。2012年4月から日本体育大学体育学部体育学科専任教員(准教授)として採用され、現在は同大学テニス部の部長兼監督を務める
取材協力◎村井凌、伊藤隆、長谷川陽平(日本体育大学 学友会テニス部)
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