山下且義_高校生プレーヤーのためのコンディショニング基礎知識+実践

03|常にベストな状態でプレーするために生活リズムを整える

 年間を通して試合があるということは、特別に試合に向けてコンディションをつくるというよりは、常に試合にいけるような状態をつくっておく必要があるということです。

 そのため、日頃から生活のリズムを整え、ルーティンをつくっておくことが体調管理に役立つでしょう。高校生の場合、試合は朝早くから行われることがほとんど。試合のときにだけ朝早く活動しようとしても、身体は急には適応できません。常に試合にベストな状態で臨めるように、生活にルーティンをつくりながら体調管理するのがおすすめです。

04|テニスプレーヤーにとって難しい食事のタイミングと配分

 試合などを考えた場合、食事は朝昼晩の3食を基本にしながら、臨機応変に食べられるようにすることが望まれます。例えば、試合の1時間前に空腹状態では、試合中にガス欠の状態に陥る恐れもあります。小腹が空いていたら補食で栄養を摂取し、試合に臨みましょう。

 大会期間中は3食にこだわらず、5食などになっても構いませんが、気をつけたいのは“食べすぎ”です。大会期間中になると、補食する機会が増え、かえって太ってしまうというケースもよくあります。

 消費する分よりも食べる量が多くなれば(つまり食べ過ぎれば)、当然カロリーオーバーとなり、体重は増えます。カロリーを考えた場合、補食するときには通常3食で摂取する総カロリーを1日で分割させて食べられるようになるとベストでしょう。

 通常、基本的な3食がとれていれば、それほどカロリーを気にする必要はありませんが、大会中は食事のタイミングが難しいでしょうから、それ以外の普段の生活でしっかりと身体をつくっていくことを心がけましょう。

05|さまざまなスポーツの経験がテニスの動きの習得と向上に役立つ

 テニスの動きは、単純な動きの繰り返しではなく、ほかのさまざまなスポーツで行う動きがたくさん含まれています。中学生や高校生のみなさんには、テニスだけではなく、いろいろなスポーツを経験してほしいと思います。

 例えば、さまざまなフットワークにはサッカーの足の動きに近いものもありますし、スマッシュなどジャンプをするような動きにはバレーボールが参考になるでしょう。

 テニスには、「この動きさえできればいい」というものはありません。もちろん打てなければいけないショットはありますが、いろいろな打ち方があり、「こうしなければいけない」ということはありません。固定概念をもって行うことは上達を阻み、別な技術の習得ができなくなる恐れもあります。

 また、一辺倒な動き、一辺倒なリズムに慣れてしまうと、難しい状況のときに俊二に身体が対応しにくいということもあります。さまざまな競技で、身体にさまざまな動きを経験させておくことは、難しい状況に直面したときに大いに生かされるはずです。

写真はイメージ(Getty Images)

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