山下且義_高校生プレーヤーのためのコンディショニング基礎知識+実践

06|試合をさらに有利にするコンディショニングの取り入れ方

 最近では、高校の部活動でも専門のトレーナーの指導を受ける機会が多いようです。そのため、選手個々のコンディショニングに対する意識も高く、練習や試合の前後に行うウォーミングアップやクールダウンなども十分に行っているように見受けられます。

 若井園主の試合を観ていて気づくのは、コンディショニングの意識はそれなりに高いのですが、対戦相手をあまり気にしていないためか、対戦相手に対しての知識がないということです。

 これは一見、コンディショニングとは無関係に見えますが、どうのような選手と対戦するか知り、それに合わせて準備ができるということは、より高いレベルのコンディショニングが可能となり、試合を有利に進めることができるということでもあるのです。

 例えば、粘り強い相手と対戦するなら、十分に休養をとり、水分補給もぬかりなく行うなど、長時間のタフマッチに備える。また、力の接近した相手と対戦するなら、最初のポイントから100%を出せるようにウォームアップをしっかりしておく。相手がビッグサーバーなら、リターンで俊二に反応できるように瞬発的な動きを取り入れたウォームアップを行う……など、対戦相手を知れば、コンディショニングにも具体的に取り組むことができるでしょう。

「自分のベストを尽くす」ということは非常に大切なことですが、自分本位なプレーで足元をすくわれて負けてしまうというケースが多いのも事実。これからは、コンディショニングをより高いレベルで試合に生かしてほしいと思います。

 ただし、試合だからと特別なことをするのは逆効果。走り込みが足りないからと前日になって長時間走ったり、今までやっていないトレーニングをしたり、ネットプレーヤーでもないのに「ボレーができないからボレーの練習をしよう」と足りないところを補おうとするのは、一夜漬けにすぎません。自分の持っているものを最大限に使えるような準備をしたほうが、いい結果につながるでしょう。

山下且義|プロフィール

やました・かつよし◎1961年5月29日生まれ。松岡修造、伊達公子、浅越しのぶなどのパーソナルトレーナーとしてツアー同行。治療院「コンディショニング・ヤマシタ」の院長を務める。日本スポーツ協会公認スポーツ指導者アスレティックトレーナー。修造チャレンジのケアトレーナーを担当(原文ママ)

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