古川禎己&根本秀明コーチ_腕がひゅんひゅん動くようになる!「スイングの加速」を導く体操と練習【本誌連動記事&動画】

第58回夏休みの部活編_テニマガ・テニス部レポート②(テニスマガジン2019年10月号掲載記事&動画)

概要◎日時:2019年7月27日(土) 10〜16時 オンコートレッスン、 会場:軽井沢プリンスホテルウエスト内テニスコート

テーマ◎腕がひゅんひゅん  動くようになる! 「スイングの加速」を導く体操と練習

講師◎古川禎己(左)&根本秀明(右)


ふるかわ・さだみ(1968年10月13日生)&ねもと・ひであき(1979年11月24日生)◎fellows SPORTS(フェローズ スポーツ/本校は千葉・浦安)テニスコーチ。2017年1月より同スクールは、スポーツ上達工房「上達屋」の直営工房「上達屋 浦安工房-fellows-」をテニスコートに隣接する形でオープンした。上達屋代表・手塚一志氏が考案した「アスリート体操」は競技レベル、年代、性別にかかわらず〈理に適ったカラダの操り方〉を導くもので、これをフェローズスポーツ(各種競技がある)ではレッスンに取り入れ、スクール生の上達に役立てている。フェローズのテニスコーチたちは上達屋で研修を重ね、コーチ全員が上達屋認定資格「パフォーマンス・コーディネーター」取得を目指している

撮影◎小山真司



骨盤主導の動き、 スイングを身につける

 今回の部活はいつもより練習時間を長く(5時間)とることができましたので、前半にスポーツ上達工房「上達屋」が考案した、パフォーマンスアップに有効な10種の体操『アスリート体操〜テニス編』をやり込み、〈理に適ったカラダの動き〉を引き出すことを目指しました。そして後半には、引き出したカラダの動きをテニスのストロークに落とし込んでいくための練習を行い、ラケットを持ったり、今一度ラケットを置いて体操したりを繰り返し、最後までスイングの加速につながる〈理に適ったカラダの動き〉を身につけることにこだわりました。

 参加者全員がスイングの加速を感じられたのではないかと思っています。

 アスリート体操を正しいやり方で、日々やり込んでいくことをおすすめします(体操のやり方はYouTube上達屋オフィシャルチャンネル参照/別枠に記載)。古川、根本の両名は日常生活の中でもちょこちょこ体操を行っています。私、古川は朝起きて、歯磨きのときに洗面台につかまり「骨盤3分割」の体操を行っています。こういう積み重ねが、人間の動きの要である骨盤周りの柔軟性を高め、骨盤主導の動きにつながっていくのです。人間は17歳から骨盤周辺が固まり始めるのだそうですよ!

 骨盤主導の動きとは、イメージするなら左右の腸骨を小さく鋭くこすり合わせる感じです。それが腕をムチのように動かしてくれます。右ページの写真「でんでん太鼓」の動きもそれとよく似ています。ジュニアが両手のひらを擦り合わせてでんでん太鼓を回していますが、太鼓につながった糸が加速して浮き上がり、その後、巻きついて太鼓を鳴らします。その動きがフォアハンドやバックハンドのスイングと同じなのです。



 ただし、動きが正しくなければ加速はしません。動きが正しくないのに技術の細部をあれこれいじっても大きな効果は得られないでしょう。やはり、理に適ったカラダの動きがあってこそ、技術は上達します。

アスリート体操の成果をストロークに生かすときのポイント

 アスリート体操全10種目を行ったあとに、ラケットを持ってストロークに生かしていく、正しいカラダの動きをテニスに落とし込んでいくときの大事なポイントを紹介します。

テニスアスリート体操全10種目
① 呼吸調整
② 骨盤3分割
③ だだっこ
④ ブラッシング
⑤ コインドリル
⑥ サークルスクラッチ
⑦ エアツイスト
⑧ 反射伸開脚
⑨ スパイラルステップ
⑩ ジャイロピッチ
※アスリート体操(全10種目)の詳細はYouTUbe「上達屋オフィチャルチャンネル」→「アスリート体操」で検索してください。











解説◎アスリート体操のひとつ「ジャイロピッチ」と同じ方法で打球していきます。アスリート体操ではパートナーがトスしたボールをキャッチ&スローしますが、ここで紹介する練習ではパートナーがトスしたボールをラケットで打っていきます。スタンスは4種類あるうちの、一番ひねりが深くなるフルオープンスタンスで練習します。




 スイングの加速を得れば、ボールスピードと回転量が増します。ボールスピードが速くなればバウンド後のボールは伸びますし、回転量を増やせばバウンド後のボールは強く弾んだり、高く弾んだり、それによって相手を追い込むことができるのです。

 また、回転量が増えればミスのない安定したプレーも手に入ります。回転量を調節すれば、バウンド後のボールの高低や緩急もコントロールできるようになり、相手の返球時のタイミングをずらすことも可能になります。

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