【2021年シーズン見どころ】変わらず重要な新型コロナの問題、スター選手たちの記録への挑戦
「世界は大いに苦しんでいる。そんな中で我々は、テニスをプレーすることができて本当に幸運だ」と11月にナダルはロンドンで語った。「それが僕が抱いている心からの気持だよ」。
中止したり再開したりを繰り返して新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに変えられたスポーツシーズンのあと男女のツアーが――ソフィア・ケニン(アメリカ)がトップシードとして出場するアブダビWTA女子テニスオープンが水曜日、男子のアンタルヤとデルレイビーチは木曜日から――始まろうとしているが、コロナウイルスの問題と変化し続ける日程はこれからも会話の重要な部分を占め続けることだろう。
ライリー・オペルカ(アメリカ)は昨年2月にデルレイビーチのハードコート大会でタイトルを獲得したが、男女ツアーの日程組変えの一環として同大会は1月初頭に移された。彼は膝のケガのため、タイトル防衛に挑戦することができなくなった。
変更事項の中には今年最初のグランドスラム大会であるオーストラリアン・オープンの開始日も含まれており、大会は通常より3週間遅れの2月8日からスタートすることになった。また2020年にパンデミックによりキャンセルされた男女共催大会のインディアンウェルズは通常の3月開催を諦め、今のところ新しい日程を定めることができていない。
また2021年シーズンの注目点として、ナダルやノバク・ジョコビッチ(セルビア)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)といったスターたちが到達するかもしれない重要なマイルストーンがいくつかある。
昨年10月のフレンチ・オープンでグランドスラム男子シングルスにおける獲得タイトル数「20」に至ってロジャー・フェデラー(スイス)と並んだナダルは、記録を更新して単独1位に踊り出ることができるかもしれない。ジョコビッチは3月を迎えるころ、ATPランキングを1位で過ごした週に関するフェデラーの最長記録を破る可能性がある。グランドスラム大会シングルス優勝回数でマーガレット・コート(オーストラリア)の持つ史上最多記録「24」まで、セレナはあと1つというところにいる。
2021年シーズンで注目される他の話題は次のようなものだ。
フェデラーの復帰
2度に渡る右膝の手術から復帰するとき、39歳のフェデラーにとって最後の試合から12ヵ月以上が過ぎ去っていることになる。フェデラーは2000年に本戦デビューを遂げて以来初となるオーストラリアン・オープン欠場を決め、2月後半に復帰することを目指していると彼の代理人はAP通信に明かした。
グランドスラム大会
オールイングランド・クラブがウインブルドンをキャンセルしたため、2020年にグランドスラム大会は3つしか開催されなかった。今のところ今季のウインブルドンは例年通り、6月28日に開幕する予定となっている。昨年のフレンチ・オープンは開始日を5月から9月に移さなければならず、観客数もかなり制限された。しかし今年は今のところ、本来の5月23日に始まる日程が組まれている。
オーストラリアン・オープンは3週間遅れとなったが、選手とそのスタッフのためのフライトやホテルおよび検疫プランに関する問題が今も残されている。
「正直言って、僕はあまりワクワクしていないよ。19時間の間、ホテルの部屋に籠っていたくはないからね。そうしなければならないことは分かっているけど、あまりうれしいい気持にはなれないよ」とオペルカはコメントした。
東京オリンピック
2020年オリンピックといまだ呼ばれているイベントは7月に始まる予定となっており、日本を代表するふたりのテニスプレーヤーがそこで大スターとなる可能性がある。AP通信が選んだ2020年最優秀女子アスリートである大坂なおみ(日清食品)、そして錦織圭(日清食品)だ。
「オリンピックは世界が集ってスポーツを祝う特別な時期です。私は非常に厳しい年(2020年)を祝うため、10年以上に渡ってこの機会を待ち、そのためにトレーニングを積んできた他のアスリートたちと交わることを私はもっとも楽しみにしています」と大坂は電子メールによるインタビューの中で述べた。「日本は文化、歴史、そして美しさに満ちた特別で美しい国です。この上なくワクワクしています」。
混戦が予想される女子テニスのタイトル争い
ここ最近グランドスラム大会で優勝した若い女子選手たちがさらなるタイトルを目指して競い合うのを目にすることには、大いに興味をそそられる。その中には世界ランク1位で24歳のアシュリー・バーティ(オーストラリア)、3位で23歳の大坂、4位で21歳のケニン、7位で20歳のビアンカ・アンドレスク(カナダ)、17位で19歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)らがいる。
ティームに続くグランドスラム大会の新チャンピオンは誰になるのか?
男子では過去何年かと比べ、今季はグランドスラム初制覇を達成する可能性のある候補がより多くいそうだ。昨年は無観客のUSオープンでドミニク・ティーム(オーストリア)がついにチャンピオンの仲間入りを果たしたが、次に誰が彼に合流するだろうか? ダニール・メドベージェフ(ロシア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)らは皆、それをやってのける力を擁しているように見える。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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