WTAツアー公式戦の「ヤラバレー・クラシック」（WTA500／オーストラリア・ビクトリア州メルボルン／1月31日～2月6日／賞金総額44万2020ドル／ハードコート）の女子シングルス準々決勝を勝利で終えたあと、第5シードのセレナ・ウイリアムズ（アメリカ）は右肩のケガを理由に世界ランク1位のアシュリー・バーティ（オーストラリア）に対する準決勝を前に棄権を決めた。

　通常であればセレナはグランドスラム大会の前週には大会に出場しないが、新型コロナウイルス（COVID-19）のパンデミックに引き起こされた状況のため昨年のUSオープン前とこのオーストラリアン・オープン前には例外的にプレーしていた。

　39歳のセレナは今週、USオープンで痛めたアキレス腱の悪化のためフレンチ・オープン2回戦を前に棄権した10月以来となる大会をプレーしていた。今年最初のグランドスラム大会のためにオーストラリア入りした他のすべての選手たちと同じく彼女は14日間の検疫期間を過ごし、その期間中は5時間まで許された外出時間に練習を行ってきた。

　オーストラリアン・オープンが月曜日に始まろうという今、セレナは体を休めたほうがよいと考えたのかもしれない。

　今週メルボルンで行われている6大会のひとつとなるヤラバレー・クラシックでセレナは3勝を挙げ、金曜日の準々決勝では第13シードのダニエル・コリンズ（アメリカ）との同胞対決を6-2 4-6 [10-6]で制してベスト4進出を決めていた。

　棄権のニュースは、彼女の試合後の記者会見のあとに届いた。会見中に彼女はケガについて言及していなかったため、詳しい説明はなされないままとなっている。これにより第1シードのバーティは自動的に決勝進出を決め、彼女は土曜日に体を休めることができることになった。

　記者会見でのセレナは、準決勝を楽しみにしていると話していた。

「現世界1位との対戦は、間違いなく今の自分がどんな状態かを見るためのいいチャンスだわ。それは私にとって本当に重要なことなの。もちろん彼女にとっても同じことが言えるわね」とセレナは次戦について語り、「長い12ヵ月だったわ。テニスは行われてきたけど、本来のあり方ではなかったから…。これが状況が好転する本当の意味の新しい年のスタートとなることを願っているわ」と言い添えた。

　検疫ホテルのスタッフひとりがウイルス検査で陽性を示したことを受けて160人の選手を含む507人が隔離と検査を行えるよう、木曜日の全試合が延期された。そのため金曜日の予定は過密となり、男女の6大会で合計70試合が組まれた。テニス・オーストラリア（豪州テニス協会）によると、検査の結果はすべて陰性だった。

　大会終盤の進行を早めるためにこの日は17面のコートが使用され、女子シングルスの試合は最終セット10ポイントマッチタイブレーク方式が採用された。

　セレナとバーティの試合はともにマッチタイブレークに突入し、バーティはシェルビー・ロジャーズ（アメリカ）を7-5 2-6 [10-4]で倒した。

　そのほかの試合では第6シードのガルビネ・ムグルッサ（スペイン）が第2シードのソフィア・ケニン（アメリカ）を6-2 6-2で下し、2020年オーストラリアン・オープン決勝の雪辱を果たした。ムグルッサは次のラウンドで、第14シードのナディア・ポドロスカ（アルゼンチン）を4-6 6-3 [10-4]で破って勝ち上がった第8シードのマルケタ・ボンドルソバ（チェコ）と対戦する。（APライター◎ジョン・パイ／構成◎テニスマガジン）

.@serenawilliams moves into the final four!

The No.5 seed wins the All-?? bout with Collins 6-4, 4-6, [10-6].

Will face Ashleigh Barty in the #YarraValleyWTA semifinals. pic.twitter.com/0Zvc32vSUm

— wta (@WTA) February 5, 2021

World No.1 @ashbarty will play for a title on home soil for a second straight season following Serena Williams' withdrawal from the Yarra Valley Classic.

Update here --> https://t.co/5Z4Cl90Rfx pic.twitter.com/4B9uWRWR83

— wta (@WTA) February 5, 2021