「イギリスの観客はユーモアが分かる」3回戦進出のズベレフ [ウインブルドン]

写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がテニス・サングレン(アメリカ)を7ー5 6-2 6-3で倒した。

 第3セットの初めに、プレー中にサングレンのポケットからボールが落ちるアクシデントが起きた直後、ズベレフは“スペアのパンツを持っているからあげようか?”と言って笑わせた。それほどリラックスした雰囲気の試合だった。

「あんなことは初めてだ。ポイントを落とすアンラッキーな形だった。しかしボールが彼の足元に止まったから、危険でプレーを続ける訳にはいかなかった。彼はウェアを提供してくれているメーカーと相談して、もっと深いポケットを作ってもらったほうがいいかもしれないね!」

 この試合の独特の雰囲気を楽しんだようだ。 

「気分はいい。これから相手が強くなり、よりよいテニスをしなければいけないのは分かっている。ここまでの調子はいいからそれを維持したい。このような試合はいつも起きる訳じゃない。でも、ここイギリスの観客はユーモアを受け入れてくれる。あのような瞬間は観客と楽しみたいと思っている。グランドスラムは本当の真剣勝負で、一瞬集中力を失っただけで形勢を逆転されてしまう。でも今日のような出来事は、テニスのよいところかなと思っている」

 第2週に向けてプレーレベルを上げていく必要性を感じている。

「プレーはさらによくなるはずだ。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)などを相手に戦うとき自分のレベルを上げていく。相手も上げてくる。上位に勝ち進むトップ選手はグランドスラムの第2週でレベルを上げてくる。それを自分もしたい。僕はこの2回戦でいいプレーができた。でも、これほどよいプレーをさせてくれない相手がこの先に待っている。僕のリズムを崩してくるだろう。そのような場面でよりよいプレーを見せなければならない。世界最高の選手たちは、相手を苦しめるためにいろんな手を尽くしてくる。次の試合もこれまでより難しいはず。そのチャレンジが楽しみだ」

 優勝を争うためにここに来た。 

「自分がどんな大会でも出場するときは優勝するために戦うレベルに達していると思う。でも、ノバクが優勝候補ナンバーワンなのは間違いない。以前も言ったと思うけど、このサーフェスではさらに彼が優勝する可能性が高まる。僕ら若い選手はまだまだグラスコートの戦い方を学ばなければならない。毎年経験を重ね、動き方やポジショニングを学んでいるところだ。だが自分は準々決勝、準決勝では満足できないところまできた。優勝を争うためにここにいる」

 グランドスラムで最高の自分を見せたい。

「グランドスラムはテニスで最高峰の大会。サッカーならワールドカップやユーロ(UEFA欧州選手権)。プレッシャーも大きいけど、最高のプレーを披露したい場所。他のスポーツでも最高の大会で最高のパフォーマンスを見せたいと思うのは同じこと」

 3回戦の相手はテイラー・フリッツ(アメリカ)に決まった。

「テイラーとは驚きだ! 3週間前に膝の手術を受けたばかりだよね? 出場していること自体驚きで、勝ち進んでいることも凄い。これほど早く復帰するのは尊敬に値するよ。グラスコートでは危険な相手だ。速いサービス、ビッグショットを持っているからね。ここで苦戦した記憶も残っている。対戦するのが楽しみだ。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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