「シャポバロフのサービスを警戒」準決勝に向けてジョコビッチ [ウインブルドン]
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス準々決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がノーシードから勝ち上がってきたマートン・フチョビッチ(ハンガリー)を6-3 6-4 6-4で下してベスト4に進出した。
記者会見で「バッドガイとしてロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)を追いかけるのはどんなものか?」と質問を受け、表情が変わったが冷静に答えた。
「まず、自分をバッドガイとは思っていない。それはあなたの意見だ。そして誰のことも追いかけていない。自分独自の道を歩んでいる。テニスの歴史の一部になることができて光栄だ。何度も言ったが、自分が知らない記録もたくさんある中で、それらは自分のモティベーションを高めてくれるものだ。最高のプレーを見せようという気持ちにさせてくれる」
試合中に肩を気にするしぐさを見せたが、体の調子はいいようだ。
「フィジカルの状態はいい。今日も何度か滑ったけど。コートに立つということはケガをするリスクがあるが、幸運にも今日はどこも痛めなかった。でも風はかなり強かった。ウインブルドンでここまで強いのは初めてかもしれない。この数日は風が強いね。でも、どの選手にとっても同じことだから、うまく対応しなければならない」
風が強い中で、特に気にすることを語った。
「ストロークとトスのリズム、テンポが大事なんだ。これらはセンターコートで実際にやってみるまで、どんなフィーリングか分からない。今日は特に風が強かった。メンタル的にも難しいだけでなく、体の使い方も困難になる。思い切ってウィナーを決めにいくときに、フィーリングがよくないと自信を持てない。足が動かなくなり、強風のときは特に問題になる。サービスをうまく打てるように祈るしかないんだ。実際、アップダウンが激しかった。最初の5、6ゲームは素晴らしくよかったと思う。5-0、5-1でいくつかセットポイントもあった。一方で、凄く長引くゲームもあった。でも、大会全体を振り返ると、ボールを打つ感触は凄くいい。エネルギーを使い過ぎず、理想通りに準決勝まで勝ち上がってきた。次の試合も最初から最後のポイントまで安定したプレーをすることが重要だ」
ここまで1セットしか落としておらず、フルセットの経験がないことはまったく気にならない。
「ここまでの勝ち上がりに満足している。今大会、長い試合の経験がないことに後悔はない。試合経験はこの数ヵ月の間にロラン・ギャロスや他の大会で多く積んでいるから、どんな状況にも対応できるメンタル状態にある。グラスコートでのトレーニングも十分積めた。今は調子もいいし、自信もある。長時間の試合が必要だとは思っていない。短いほうがいい。一番大事な試合のためにエネルギーを取っておきたいんだ」
準決勝で対戦するデニス・シャポバロフ(カナダ)は、何故ここまでツアーで成功しているのか?
「彼がこのような大会で勝ち上がれるようになってきた要因は本人に聞いたほうがいいだろう。この数年は継続的に結果を残し、トップ20に入っている。トップ10、トップ5に入ることを期待する声も多く、“ネクストジェン”の中でもリーダーになる存在だ。ビッグマッチで勝てていないかもしれないが、成熟してきている。オールラウンドな選手で、レフティでネットプレーもよく、動きも向上したおかげでミスが減っているようだ。今年初めのATPカップで対戦したときはオーストラリアのサーフェスがかなり速かったから、彼のサービスの調子がいいとどれほど難しくなるのかを身をもって知った。彼のサービスゲームでは、チャンスは少ない。今大会のアンディ・マレー(イギリス)戦を生で観たら、すごく調子がよさそうだった。サーフェスの感触をよく掴めているようで、思い切りラケットを振り抜いている。バックハンドも重要な場面で機能していた。自分にとっては今大会最大の試練になるだろう。でも準決勝なのだから、それは当然のこと。楽しみにしている。最高のプレーを見せる必要がある」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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