フェデラーが復帰への「かすかな希望」を抱き3度目の手術を決断、USオープンを欠場して長期離脱へ
ロジャー・フェデラー(スイス)が右膝に3度目の手術が必要になったため、USオープンを欠場して数ヵ月の間コートから離れることになった。彼はこの処置を受けることで、自分が競技に戻るための「かすかな希望」を残すことになると語った。
日曜日に自身のインスタグラムを更新したフェデラーは、ビデオメッセージを通してこのニュースを発表した。
「グラスコートシーズンとウインブルドンでさらに膝を痛めてしまったため、僕の膝に関して医師たちと何度も検査をしてあらゆる情報を集めてきた。残念ながら彼らは中長期の展望でよくするためには手術が必要だと僕に告げたから、僕はそうすることに決めた。僕は何週間も松葉杖をついて過ごし、それから何ヵ月も競技から離れることになるだろう」とフェデラーはコメントした。
グランドスラム大会獲得タイトル数「20」でラファエル・ナダル(スペイン)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)と並ぶ男子の最多記録を保持する40歳のフェデラーは選手としてのキャリアが終わる可能性を認めたが、ふたたびカムバックするという目標を持って膝のリハビリに取り組む意向を示した。
「健康でいたいし、思い切り走り回れるようにもなりたい。ふたたびツアーに復帰するかすかな望みも持っていたい。誤解しないでほしいが、僕は現実主義者だ。この歳でまた手術を受けるのは、どんなに大変なことか理解している」
2020年オーストラリアン・オープン直後の2月に受けた最初の手術のあと、同年の6月に2度目の処置を必要としたフェデラーは1年以上の戦線離脱を余儀なくされた。そのあと彼は今年のフレンチ・オープンでグランドスラム大会に復帰し、3試合に勝ったあと4回戦を前に棄権を決めた。フェデラーは体を休めてグラスコートシーズン、特にウインブルドンのために準備を整えたいと棄権の理由について説明した。
フェデラーが最後にプレーした試合はホベルト・フルカチュ(ポーランド)に敗れたウインブルドン準々決勝で、彼はそのあと膝のケガを理由に東京オリンピック出場を断念していた。
今年最後のグランドスラム大会であるUSオープンは、8月30日に開幕する予定になっている。足のケガを抱えているナダルはUSオープンに先立つ前哨戦への出場を取り消しており、東京オリンピックでメダルを逃したジョコビッチも休養を取って回復する必要があるとしてウォームアップ大会を回避する決断を下した。
2003年から10年の間にグランドスラム大会で16回の優勝を遂げたフェデラーは、30代後半までテニス界のトップに君臨してきた。彼は長期離脱から復帰した2017年にオーストラリアン・オープンとウインブルドンを制し、2018年にメルボルン・パークでタイトルを防衛したのを最後に栄冠から遠ざかっている。彼は2019年ウインブルドンであと一歩のところまで迫ったが、5セットのタイブレークにもつれる死闘となった決勝でジョコビッチに阻まれていた。
全米テニス協会(USTA)はフェデラーがUSオープンを欠場したことにより、タロン・グリークスプア(オランダ)が本戦出場権を獲得したと明かした。ほかに欠場者が出た場合、次に繰り上がるのはマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)となっている。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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