動画付き_ダブルスのウォーミングアップ「60分メニュー」後編【駒田政史コーチのみるみるうまくなるダブルスのはじめ方|第25回】


 ダブルスのウォーミングアップ「60分メニュー」の後編です。ウォーミングアップといっても1時間くらいかけた、ダブルスに必要なテクニックをひと通り鍛えていくダブルス専門の練習です。前編では、ミニテニス→ストローク(回転、スピード)→ボレー→ボレー対ストローク→スマッシュ→ハイテンポラリー、軌道の高いラリーと進みました。後編はサービス&リターン練習、ゲーム練習を行います。(テニスマガジン2021年7月号掲載)



指導◎駒田政史 (写真左から)澤太我、尾﨑奏多、駒田コーチ、駒田瑛人、河野晃太

こまだ・まさふみ◎1973年3月30日生まれ。愛知県出身。名古屋学院高校、亜細亜大学卒。全日本ジュニア18歳以下複優勝、全日本大学王座優勝、全日本選手権複優勝(大学4年時)。卒業後はミキプルーン所属で8年間選手活動、その後、2003年より竹内庭球研究所に所属し、11年間ナショナルコーチ(フェド杯、アジア大会、ジュニアフェド杯監督、ユースオリンピック監督)を務めた。現在は関西を中心にプロ選手、ジュニア選手の強化とともに、日本テニス界の環境整備(普及から強化のシステム作り)に力を注いでいる。 

写真◎石井愛子、BBM イラスト◎サキ大地

メニュー93コース×各1分、両サイド×各1分
サービスはファースト、セカンドとも必ず3コースを狙う。 リターンは基本的に前に入って相手に近いところで返す

方法◎サービス(ファーストサービスとセカンドサービス)とリターンを練習します。サービス側は、まずファーストサービスから、打つ前にコースを決めてワイド1分、センター1分、ボディ1分×両サイドをきっちり狙います。その後、セカンドサービスを同様の方法で練習します。一方リターン側は、前に踏み込んでよい当たりで返すように練習します。ピッチャー返しの原理です。セカンドサービスに対しては、より前に入ってリターンします。



サービスのポイント◎コースをきっちり狙って練習することを当たり前にしてください。狙い続けていると、自分のサービスの“行きにくいところ”がわかってきます。例えばボディを狙いたいけど、相手のフォア側に入ってしまうなどです。うまくコントロールできないところがわかれば、そこをしっかり練習することができます。得意、不得意がないよう、偏らないように毎回必ずワイド、センター、ボディとコースを狙いましょう。

CHECK!
リターン練習

リターンのポイント◎何となく返すのではなく、いい当たり(クリーンヒット)で返すように練習します。この練習では最初から来るコースがわかっているので、構えたところから一歩前に入り、さらに次のステップで前に入るフットワークで打っていきます。相手のサービスの特徴や、ファーストサービスかセカンドサービスかによってリターンのポジションは変わるものですが、いずれにせよできるだけ前で返すこと、相手に近いところで返すことが大事です。


前に入って相手に近いところで返す。ボディにボールが来たときも足を後ろに引いて避けるのではなく、避けながら何とかして前に入る

サービスの確率、 ポイント獲得率の話

 ここからダブルスのゲームをしていきますが、ゲームは通常のやり方ではなく、サービス1本×10ポイントで区切って行います。

 最初のメニュー10では、ファーストサービスだけでポイントをプレーし、合計10ポイントをプレー。そのときサーバーと前衛は、サービスが何回入ったか、入ったサービスのうち何回ポイントが取れたかを数えて、覚えておきます。合計10ポイントが終わったらみんなで一度集まり、内容を声に出して確認します。

ファーストサービス(またはセカンドサービス)は、10回打って何回入ったか(ファーストサービスの確率は何%か計算します)

ファーストサービスが入ったあと何ポイント取れたか(ファーストサービスのポイント獲得率は何%か計算します)

 ここに参加しているジュニアたちは中学1、2年生ですが、10ポイントが基準なら数えやすく、覚えやすいので計算もすぐにできました。

 ダブルスのサービスゲームはキープが絶対条件であり、一度落とすとセットを落とすに等しいことを知っておきましょう。キープするためにはサービスの確率、ポイント獲得率のアベレージを高めることが非常に重要になるのです。

 次から紹介していくゲーム練習の前にサービスキープのための数字を紹介しますと、ファーストサービスの確率は10回中7回入って70%、セカンドサービスの確率は10回中(10回と言いたいところですが)9回、90%を目標にしてください。






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