フリッツがコルダとのアメリカ勢対決を制し、クレーコートのマスターズ大会で初の8強入り [モンテカルロ・マスターズ]
ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月10~17日/賞金総額580万2475ユーロ/クレーコート)の男子シングルス3回戦で、第10シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)がセバスチャン・コルダ(アメリカ)との同胞対決を7-6(4) 7-5で制してベスト8進出を決めた。
前日の2回戦で隠れ優勝候補として注目されていた第8シードのカルロス・アルカラス(スペイン)を倒して世間をあっと言わせていた21歳のコルダだが、この日はタイブレークなど重要な場面で比較的安易なミスを犯し、前日に見せた精神的な粘り強さを見せることができなかった。
また前日と違って風のないコンディションの中で双方が強力なサービスを持つこともあってかフリーポイントも多く、試合の大部分が内容的にアルカラス戦で見られたようなスリル溢れる長いラリーの少ない、ややあっさりとした展開となった。
そんな試合が熱くなったのは、第2セット3-3からコルダが4本のアンフォーストエラーによってブレークを献上してからだった。コルダはそこでレベルを上げて第7ゲームでは非常に長い白熱したラリーが見られ始め、最後にドロップショットのエースを決めて直ちに追いつき、次のゲームをラブゲームでキープすると雄叫びを上げた。
ところがそこでボールガールが失神するアクシデントがあり、短い時間ではあったが試合が中断された。それで勢いを逃したのか、コルダは5-5からまずはドロップショットを返されてスマッシュを叩きこまれ、1ポイントを取ったあとに3本のミスを重ねる完全な自滅でふたたびサービスゲームを落としてしまった。最後はフリッツがサービング・フォー・ザ・マッチをきっちりキープし、試合に終止符を打った。
「今日の試合はかなりよかったよ。僕はサービスにおいて、打つスポットに変化をつけていい仕事をしたと思う」とフリッツは試合を振り返った。
「僕は彼のリターンを警戒していたんだ。セカンドサーブのときに彼のリターンに対して戦わなければならず、そのことに気持ちを集中させていたよ。今日は(風もなく)いいコンディションだったから、自分のベストテニスと感じられるプレーをすることができたね」
この日はたびたびサーブ&ボレーを仕掛けてポイントを取るなど攻撃の組み立てで相手より上のものを見せたフリッツはアンフォーストエラーを11本に抑え、結果的にこれが勝負を分けた。対するコルダは23本のアンフォートエラーを犯し、ウィナー数ではフリッツが22本でコルダは23本とほぼ互角だった。
オンコートインタビューでクレーコートでのマッチ3連勝は恐らくこれが初めてだと認めたフリッツは、第2セット終盤(4-3辺り)の心境を聞かれて「あのときにはミスでフリーポイントを与えすぎていたから、気を引き締めて集中し直した」と答えた。
「僕は一歩一歩進んでいきたいと思っている。今は10位台になれたから、次の目標はトップ10に入ることだね。それからこの成長を続けていくこと、マスターズの大会で勝つことだ」と3月にインディアンウェルズでマスターズ初制覇を果たしたフリッツは今後の目標について話した。
24歳のフリッツは準々決勝で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したダビド・ゴファン(ベルギー)を6-4 6-1で破って勝ち上がった22歳のアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)と対戦する。このところ急成長ぶりを見せているダビドビッチ フォキナは、2回戦で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)から金星を挙げて注目を集めていた。
写真◎Getty Images
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