「セレナはラファ、ロジャー、ノバクのような存在だ」元女王の復帰を喜ぶメドベージェフ [ATPハレ]
ATPツアー公式戦の「テラ・ウォルトマン・オープン」(ATP500/ドイツ・ノルトライン ヴェストファーレン州ハレ/6月13~19日/賞金総額227万5275ユーロ/グラスコート)に第1シードで出場しているダニール・メドベージェフ(ロシア)が元世界ナンバーワンであるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の復帰、ウインブルドン欠場でのスケジューリング、USオープンに出場できるようになったことについて語った。
ナンバーワンになったことによる影響。
「答えに困るが、ひとつは自信になる。世界ナンバーワンになるのは一つの夢でもあった。その地位をできるだけ長くキープする挑戦は、僕にしかできないものだ。ポイントも稼がないといけないし、いいプレーをしないといけない。世界一に値することを皆に証明しないといけない。試合に負けると、“あーあ、ナンバーワンが負けた! ああだ、こうだ!”と皆が大騒ぎして話題になるからプレッシャーは大きいよ。2つの面で難しいのは確かだ。でも僕がコートに立つとき大事なのはただ一つ、勝利を目指すことだ。1位になると、相手も自分を倒したい気持ちが強くなる。逆に自分に対して恐れを抱く選手もいる。対戦してみないと、その日の相手がどちらのタイプなのかがわからない。僕のようにランキングなど関係なく挑んでくる選手もいる。コートに立に当たって大事なのは、勝つことだ」
USオープンではロシア人選手、ベラルーシ人選手が出場できることになった。
「そのニュースは昨日聞いたよ。素晴らしいね。僕はいつも言うようにルールに従わないといけない。出場できるなら出場して全力でプレーする。自分が昨年獲得したタイトルを守るために戦うことができてうれしい。もし連覇を狙うチャンスがないなら、悲しいよ。USオープンは本当に素晴らしい思い出になっている。僕にとって一番特別な大会になった。それ以上言うことはないかな」
この大会後のスケジュールはもう決めている?
「来週、マヨルカに出場する。ここでの結果に関わらず出場するよ。そこでも連覇を狙えるし、素晴らしい大会だ。ウインブルドンに出場しないから、3週間連続で大会に出るのも問題ない。そこで数日過ごしてから、南フランスに戻ってアメリカシリーズに向けていい準備をしたい。次の大会の調子によっては、もう1大会追加するかもしれないけど、まだ決まっていない」
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がウインブルドンで復帰する。
「セレナはロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のような存在だ。いつか彼らやセレナが引退する日がくる。でも、50歳になって“最後のチャンス”と言って出場して勝つ可能性だってある。その年齢でも勝てることを皆に知らしめるだろう。彼女は歴代最強の女子テニス選手。記録がすべてを物語っている。彼女は優勝するチャンスがあるだろうし、皆が彼女のプレーを観たいと思っているよ」
ウインブルドンはテレビで観る?
「正直、自分が出られない大会を観るのはちょっとしんどいかな。自分も出場している大会なら、いつも他の試合をチェックしている。彼女が準々決勝まで勝ち上がったら、たぶん大会を観始めると思うよ」
ホテルと会場の距離が大会によって違うため、準備の仕方も変わってくる?
「少し違うね。USオープンや上海オープンはホテルから会場まで車で1時間くらいかかる。自分の試合が夕方6時だとしても、11時か12時にはホテルを出発しないといけない。1日中コートで過ごすんだ。僕はそれが好きでもある。もし、ここハレで12時に試合なら朝8時に起きるので十分だ。ここなら朝6時に起きなくて済む。ホテルの部屋から2分の場所にあるコートでウォーミングアップができるからね。練習後もロッカーに行かなくても、ホテルの部屋に戻ればシャワーを浴びて着替えることができる。僕は生活の部分で環境に柔軟に対応できるタイプなんだ。ここハレも過去にプレーしたクイーンズも多少の違いはあるけど、どちらの大会も好きだ。ここに戻ってきて、少なくとも昨年よりいい成績を残せてよかった。それが一番重要なことだ」
昨年のハレと今年の大会では違いがある?
「僕の考えでは、グラスコートはフィジカル的に物凄くきついサーフェスだ。ハレとウインブルドンの間に1週間空くから、回復するのに十分な時間がある。でも、ハレで3セットマッチを5試合戦い、決勝は3時間を超える熱戦になったら、もしかしたらウインブルドンの前に少し自信を失うかもしれない。いつも頭の中に、その大会でいいプレーをすると同時に、ウインブルドンに向けての準備という意識があるものだ。でも、今はその考えが頭にない。この大会だけに集中している。今年のほうが明らかにやりやすい。ウインブルドンでピークになるように調整する必要がない。今はモティベーションが高い。負けるのは大嫌いだ。どこでプレーしようが関係なく、いつだって勝ちたいんだ」
写真◎Getty Images
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