ジャバーがグランドスラム決勝に進出した初のアフリカ大陸出身女子選手に [ウインブルドン]

写真はアフリカ大陸出身の女子選手として初のグランドスラム決勝進出を決めたオンス・ジャバー(チュニジア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア)が2児の母でもある34歳のタチアナ・マリア(ドイツ)を6-2 3-6 6-1で振りきりグランドスラム初優勝に王手をかけた。

 これはジャバーにとってグランドスラム大会で初の決勝進出であり、アラブ人としてだけではなくそれを成し遂げた初のアフリカ大陸出身の女子選手として歴史に名を刻むことになった。

「何と言ったらいいのかわからないわ。これは夢の実現よ。それは何年もの努力と犠牲の賜物でもある。そして、勝つべきもう1試合が残っている」とジャバーは試合後のオンコートインタビューで語った。

 ともにパワーに頼ることなくタッチのよさと多彩でスキルフルなショットを武器とする選手同士のこの対戦で、先に優位に立ったのはジャバーのほうだった。第1ゲームからピンチにさらされたマリアは3つのブレークポイントを何とか凌いだが、ジャバーは続くマリアのサービスゲームを破って2-1とし、第7ゲームでふたたびブレークに成功して6-3で第1セットを先取した。

 第2セットでは苦労の末に第3ゲームをキープしたマリアが相手のミスにも付け込んで先行し、持ち前のディフェンス力を駆使してそのリードを守ってセットオールに追いついた。しかし第3セットでは第2セットの過程でもたびたび目覚ましいショットを見せていたジャバーが第2ゲームでブレークして試合の主導権を奪い返した。

「この夢は、私がここでプレーを楽しんだ昨年に始まったの。それ以前はあまりウインブルドンでたくさんプレーしていなかった。それまでは1回戦や2回戦で終わるのが普通だったから。グラスコートでプレーするのは難しい。私には自分のスタイルがあり芝でもいいプレーをしていることは知っていたけど、昨年にメンタルコーチのメラニー・マイヤールがそれを私に思い出させてくれた。私は準々決勝で負けたとき、彼女に『来年はタイトルを獲るために戻ってくる』と言ったのよ」とジャバーはこれまで何度も繰り返してきたようにこの大会にかける熱い思いを語った。

「私はここの雰囲気やすべてを愛している。シーズンの出だしから、それどころか昨年の終わりから最大の目標だった。私はただ、ここにいるのは大好きなの」

 ジャバ―は決勝で、第16シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を6-3 6-3で破って勝ち上がった第17シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)と顔を合わせる。2019年大会チャンピオンのハレプはここまでセットを落とさず勝ち進んできたが、同大会での連勝は「12」でストップした。

「彼女のサービスは凄くいい。だから目標は、可能な限り多くのボールをリターンすること、ポイントを取るために彼女が苦労しなければならないようすることね」とジャバーは決勝を見据えた。

「彼女が非常に強くボールを打ち、多くのウィナーを奪えることは知っているわ。そして、私のテニスが彼女を大いに煩わすことができることも知っている。私はより自分自身に集中し、スライスを多く使って彼女にハードワークを強いるようにすることが大事になる。このタイプのプレーヤーは通常、2~3本のショットでポイントを取る。私は自分がいつもやっていることを続けるだけよ」

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写真◎Getty Images

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