ティームがついに復帰後ツアー初勝利「辛かったが恐らく僕の人生全般にとってはいい経験」 [ノルデア・オープン]

写真は2021年フレンチ・オープンでのドミニク・ティーム(オーストリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ノルデア・オープン」(ATP250/スウェーデン・バスタッド/7月11~17日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦でドミニク・ティーム(オーストリア)がエミル・ルースブオリ(フィンランド)に3-6 6-1 7-6(5)で競り勝ち、3月末の復帰以来初となるツアーでのマッチ勝利を挙げた。

 昨年6月に手首を痛めて約9ヵ月間の戦線離脱を余儀なくされたティームは、今年の3月末にチャレンジャー大会で復帰してから8大会目だった前週のザルツブルク・チャレンジャーでようやく1勝を挙げたばかりだった。

 第3セットのタイブレークで目覚ましいウィナーを叩き込んで5-2とリードしたものの、そこから追い上げられて最後まで苦労した末にツアーレベルで約14ヵ月ぶりの勝利をおさめたティームは「本当に久しぶりだ。最後の勝利は2021年のローマに遡る。何だか違った世界のように感じられるよ。本当に多くのことが起きて厳しく辛かったけど、恐らく僕の人生全般にとってはいい経験だった。僕は今日、この復帰後ツアー初勝利を挙げることができて本当にうれしい」と試合後のオンコートインタビューで語った。

 タイブレーク5-2から数本のアンフォーストエラーを犯したティームは5-5からサービスエースを決めたあと、最後はルースブオリのダブルフォールトのおかげで何とか試合を終わらせていた。

「難しい試合だった。僕はいいスタートを切れず、そこからカムバックして第2セットと第3セットではいいプレーをしたと思うけど、ここまで全然勝てなくて負けてばかりだったから試合を締めくくるのが非常に難しかった」とティームは試合を振り返った。

「特に終りに差し掛かったときに、もっとうまく試合をコントロールしなければならなかった。最後には運も味方してくれ、彼が僕にダブルフォールトで勝利を与えてくれてよかったよ。僕にはそれが必要だった」

 必要だったのは運の助けか、それとも勝利そのものを指して言ったのだろうか? いずれにせよそれはティームにとって、3ヵ月以上待ち続けた復活への最初の足がかりだった。

 しかしティームにはのんびりしている暇はない。彼は2回戦で、第4シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)と対戦する。上位4シードは初戦がBYEで免除されており、2回戦からの登場となる。

 バウティスタ アグートは新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したためウインブルドン出場を逃したものの、ツアーでもっとも堅固で成績に一貫性のある実力者のひとりだ。また負傷する前からティームはバウティスタアグートとあまり相性がよくなく、ここまで5戦して一度しか勝ったことがない。

 同日にプレーしたシード勢は第8シードのセバスチャン・バエス(アルゼンチン)がラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のファビオ・フォニーニ(イタリア)を6-3 6-4で下して2回戦に駒を進めたが、第6シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)と第7シードのホルガ・ルーネ(デンマーク)は敗れた。

 バシラシビリが右肘のケガを理由にユーゴ・ガストン(フランス)に対する1回戦を第2セット途中でリタイアし、ルーネは予選勝者のマルク アンドレア・ヒュスラー(スイス)に3-6 4-6で不覚を取った。

 そのほかの試合ではアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)、アルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)、フランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)、アスラン・カラツェフ(ロシア)、フェデリコ・コリア(アルゼンチン)が初戦を突破した。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles