「恐らく僕の人生で最大の勝利」数々の苦難を乗り越えたジョコビッチが2年ぶりの王座返り咲き [オーストラリアン・オープン]

写真はチームとともに10度目の優勝を祝うノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス決勝で第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-3 7-6(4) 7-6(5)で退け、2年ぶりに王座を奪回するとともにラファエル・ナダル(スペイン)に並ぶ男子最多のグランドスラム22勝目を挙げた。

 自身の持つ男子の最多記録を更新する10度目の優勝を決めた瞬間にジョコビッチは決意に満ちた表情で頭とハートを指差し、それから観客席によじ登ってチームと勝利の喜びを分かち合った。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチン未接種を理由に強制送還されて昨年の大会に参加できず、今大会には左脚に問題を抱えながらプレーした35歳のジョコビッチは「これは僕にとって、これまでの人生でプレーした中でもっとも困難だがやり甲斐のある大会のひとつだった。昨年はプレーすることができず、今年に戻ってきた。歓迎されていると感じさせてくれた皆にお礼を言いたい」とコメントした。

「レジェンドであるロッド・レーバー(オーストラリア)の前で、僕がこのコートで最高のプレーをしてきたことには理由がある。長い旅だった。僕のチームと家族はここ4~5週間に僕たちが経験してきたことを知っている。これは恐らく僕の人生で最大の勝利だ」

 ジョコビッチはロッド・レーバー・アリーナで行われた同大会の準決勝と決勝で負けたことがなく、戦績は20勝0敗となった。この勝利により彼は、大会後に更新される世界ランクでトップに返り咲くことになった。

 チチパスも勝てばギリシャ人として初のグランドスラム制覇と世界ランク1位になることができたが、この日は競り合いこそすれ本当の意味でジョコビッチを脅かすことはできなかった。3戦目まではジョコビッチに2勝1敗と勝ち越していたチチパスだが、それから10試合連続で敗戦を喫している。

「ノバク、何て言えばいいのかわからない。あなたがこれまでに達成してきたことがすべてを物語っていると思う。すべては数字に表れている。おめでとう。あなたが我々のスポーツのためにしてくれたことに敬意を表したい」と表彰式のスピーチでチチパスはジョコビッチに賛辞を送った。

「コートにいるとき、あなたが僕をよりよい選手にしてくる。ノバクは僕からベストを引き出してくれる。僕はこういう試合のために人生を通して努力を積んできた。彼は我々のスポーツでもっとも偉大な選手のひとりだ」

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写真◎Getty Images

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