スビトリーナが絶体絶命の危機を凌いでベスト8に進出「人生で2番目に幸せな瞬間」 [ウインブルドン]

写真は出産を経てグランドスラム2大会連続8強入りを決めたエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月3~16日/グラスコート)の女子シングルス4回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が第19シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)との激闘を2-6 6-4 7-6(11-9)で制し、グランドスラム2大会連続となるベスト8進出を決めた。

 これまで一度も勝ったことのなかったアザレンカに対して第1セットを落としたスビトリーナは第2セットでも0-2と劣勢に立たされていたが、挽回劇はここからスタートした。守備力と要所でのアグレッシブな姿勢を織り交ぜてブレークバックしたスビトリーナは4-3からのレシーブゲームで4つのブレークポイントを握りながらものにし損ねたが、めげることなく戦い続けて5-4から相手のサービスゲームを破ってセットオールに追いついた。

「(第2セット)0-2ダウンとなったときは本当に酷い気分だった。あんなプレーをするために試合に臨んだわけじゃなかったから、それについては凄く憤慨していた。だからとにくここですべてを捧げて戦わなければならないと自分に言い聞かせていたの」とスビトリーナは試合後に明かした。

「それから最終的にはゆっくりと試合に戻っていくことができた。このマインドセットで奮い立つことができたの。この状況で文句を言う資格なんてないんだから。とにかく戦わなければならなかった」

 こうして形勢を覆したスビトリーナは第3セットでも3-0とリードしたが、同じく素晴らしい戦いぶりを見せたアザレンカが追い上げて勝負は10ポイントタイブレークにもつれ込んだ。そこでもアザレンカの思い切りのいいショットは何度もライン上に乗り、お互いに意地を見せ合う凌ぎ合いが続いた。しかしスビトリーナが8-8から深いストロークで振り回したあとにドロップショットを決めて2度目のマッチポイントを掴むと最後はサービスエースを叩き込み、感極まって芝の上に座り込んだ。

「娘の誕生に続き、これは私の人生で2番目に幸せな瞬間だわ。今日はベストのプレーができなくて本当に苦しんでいたけど、第2セット0-2のときに皆さんの応援する声が聞こえて泣きそうになった」とスビトリーナは試合後のオンコートインタビューで語った。

「ポイントごとに勝つ方法を見つけ出そうともがいていた。最後にどうやって精神的に持ち堪えたのかわからない。母国では多くの人々が応援してくれているだろうと考えた。幸せな瞬間を共有できることが彼らにとってどれほど重要かということを私は知っている。信じられないような気分よ」

 スビトリーナは準々決勝で、2つのマッチポイントを凌いだ末に第14シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)を6-7(4) 7-6(2) 6-3で破って勝ち上がった第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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