USオープンのシード選手たちが眺めのよいスイートルームを満喫
2017年大会準優勝のマディソン・キーズ(アメリカ)の言葉を借りれば、それは「大きな特権」だ。2020年USオープンのユニークな雰囲気にぴったりフィットする。
プレーヤーは試合をしたりトレーニングをしていないとき、会場内のどこにでも行くことができる。彼らは観衆をかき分けて進む必要がない。ビリヤードテーブルやパターのグリーン、巨大チェスなどのレジャー施設がスタジアムの外の広場にセットアップされている。
特権的クラブの雰囲気があるそれらのスイートは、それを受ける価値のある立場にいる者たちに贅沢さを味わわせてくれる。またソーシャルディスタンスの名のもとに制限されたスペースとロッカールームの時間とともに、非常に貴重なものだと言える。
「誰もいないところに座ってひとりになれる場所があるというのは本当にいいものだわ」と話したキーズはその特権を満喫していた。
「私は会場でのほとんどの時間をあそこで過ごしているの。すべての食事をあそこでとっているわ。ウォームアップの多くをあそこでやっているし、ストレッチもやっている。私は自分のスイートに住んでいる感じ。あそこに覗きに行って、何が起きているのかを見るのは大好きよ」
しかしながら、そうしたければ勝ち続けたほうがいい。負けた選手はそのラウンドが終わったあと、自分のスイートを失うからだ。但し、ダブルスにもエントリーしている選手はダブルスで負けるまでキープできる。
そのエリアは掃除と消毒をしたあと、最新の世界ランキングではなくエントリーリストに基づいて勝ち残っている中で上位の選手に譲渡される。そんな訳で、賞金やランキングポイントのほかにもノーシード選手にとって追加的に励みとなることがあるのだ。
たとえばカロリーヌ・ガルシア(フランス)は水曜日に第1シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を6-1 7-6(2)で倒したことで、実質的に自分のための場所を切り開いた。50位のガルシアはその翌日、スイートに移ることを許された。
ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、イガ・シフィオンテク(ポーランド)、ユーゴ・アンベール(フランス)、ジョン・ミルマン(オーストラリア)も同じだった。
勝てば自分がそこに行けるという訳ではないが、63位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)は興味深いアイデアだと考えていた。
「それは素晴らしいルールだわ」と彼女は目を輝かせた。ペグラは金曜日に第6シードのペトラ・クビトバ(チェコ)を倒せば順番を勝ち取れるかもしれなかったが、結局それは叶わなかった。
「大して重要なことではないけど、いいことよ。素敵な特典だわ」とペグラは話していた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はアンディ・マレー(イギリス/右側)と西岡良仁(ミキハウス)の男子シングルス1回戦が行われたアーサー・アッシュ・スタジアムの様子(Getty Images)
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