ユニットターンに始まった準備はフルターン、バックスイングへ続く_ジョコビッチのフォアハンド検証第3弾

スタンスはボールの深さ、高さにより決まる
ターン完了時の
左足のポジションが
重要!

脚とスタンス|Legs & Stance

ォアハンドの準備段階(ここからがバックスイングの話です。日本で言う「テークバック」のことですが、私はラケットを引くだけでなく、体をひねることも含めた準備を言いたいので、「バックスイング」と言います)において、脚の使い方は非常に重要なファクターです。トッププレーヤーは、膝を30度かそれ以上に曲げた状態で外側の足 (※右利きなら右足)にタメをつくるか、体重をかけています。

 しかし、このファクターのタイミングはさまざまで、注意が必要です。外側の足に体重をかける行為が、上体のフルターンと同時に行なわれることもあれば、そうではない場合も多々あり、どのようなタイミングで行なわれるかについては、プレーヤーがコートのどの場所にいるか、ボールに向かう運動量(あまり動かずに打てるのか、大いに走らなければボールに追いつけないのか)、ボールに至るまでの時間的余裕の有無などによります。

どのくらい“オープン”を使うの?|How Open?

脇と左足は、体がターンするにつれて、一体となって回転する必要があります。左足は、上がってから前方に出て、後ろ足(右足)に対して30〜45度の角度でズレた形となります。良い体勢と見なせるポイントは、左足のかかとがだいたい背後のサイドライン方向を指し、後ろ足(右足)のつま先に体重が乗るような形で脚がターンしている、という点です。

 このポジションから、プレーヤーはセミオープンスタンスで打つことができます。ジョコビッチはこのあと、さらに左足を前に踏み出し、ボールが低いとき、あるいは短いときによく使われるニュートラルスタンス(スクエアスタンス)をとることもします。

セミオープンスタンス|プロレベルで好んで使われるスタンス「セミオープンスタンス」。左足が前に出て、後ろ足(右足)に対して30〜45度の角度でズレた形となる

ニュートラルスタンス|ニュートラルスタンスは、プレーヤーが左足(前足)を前方に踏み出し、両足のつま先を結ぶラインが、ボールを打とうと意図するコースのラインーーつまりターゲットラインと平行になる傾向がある

 ニュートラルスタンスは、スピンが少なく、バウンドが低いボールで、インパクトポイントが腰の高さくらいにあるときに適しています。一方、オープンスタンスは、体の鋭い回転運動を使う打法、片足、あるいは両足が注に浮くようなインパクトポイントに適しています。ですから、ニュートラルスタンスは、胴体の回転がより少ないプレーヤーに適したスタンスです。クラブプレーヤーは間違いなく、オープンスタンスだけでなく、ニュートラルスタンスも学ぶべきです。ニュートラルスタンスを学ぶと、しっかりとしたフルターンが行なえずに苦労しているプレーヤーにとって、解決策となるものです。

ョコビッチも、時折フルオープンスタンスでボールを打っています。これは彼が走らされたり、ボールのタイミングや深さ、スピードによって強いられたときに起こる傾向があります。

オープンスタンス|フルオープンスタンスが、トッププレーヤーの間で使われることは、(相手に強いられること以外)稀だ

 クラブプレーヤーにもっともありがちな問題のひとつは、体の左側と左足が十分ターンしないことで、それがターン全体に制限を与えてしまうということです。それはまた、スタンスのチョイスも限定してしまうため、プレーヤーは適切な度合いを超えた、過度にオープンなスタンスで打つことを強いられます。そうならないためにも、クラブプレーヤーがまずやるべきことは、体をしっかりターンさせることにあります。

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