鈴木貴男のサービス履歴書〜競技歴35年から見つけたベスト練習法
日本屈指のサービス力を誇る鈴木貴男プロが35年にわたるテニス人生の中でサービス改良のターニングポイントとなった出来事を振り返り、ヒントとなる解決法を語った。【2019年5月号掲載記事】
写真◎川口洋邦(オンコート)、松本昭夫、Getty Images、BBM 撮影協力◎高輪テニスセンター品川プリンスホテル、亜細亜大学日の出キャンパス
6~8歳|小学3年生からコンチネンタルグリップ
エドバーグとベッカーに憧れていた
全国小学生大会に出場したとき。当時6年生で、もちろんコンチネンタルグリップ
小学1年生でテニスを始め、最初の2年ほどはサービスの技術に対する考えはあまりありませんでした。転機は小学3年生。僕はサービスをコンチネンタルグリップで打ってみることにしました。今まで握っていたものより薄く持ち、何度も打ち続けました。ほとんどのボールがコート横にあるテニスクラブの壁へ。左に曲がり、なかなか入りません。「なぜだ?」と思い、それなら身体の向きを変えてみるなど工夫をしました。うまくいかないからすぐやめるということはありませんでした。自分の中では厚いグリップではなく、薄いグリップが正しいという確信があったのだと思います。
なぜ、グリップを薄くしようとしたのか。トップ選手の影響か、それとも誰かに言われたのか、はっきりと憶えてはいませんが、テニスを始めたときから目指すべきプレースタイルはありました。サーブ&ボレーです。当時憧れていたステファン・エドバーグやボリス・ベッカーがそうであるように、僕もサービスからネットに出ていくプレーを心掛けていました。
影響を受けやすい幼少期は、強くてかっこいい選手に憧れるもの。僕の場合、プレースタイルの影響はベッカーよりもエドバーグでした。ベッカーは代名詞であるダイビングボレーやビッグサーブといったスピーディでパワフルなプレーヤー。子供心に「すごい!」と思いながらも「これは真似できないな」と思っていました。一方のエドバーグは堅実タイプ。スピンサービスからネットに詰めて決める形は、僕の土台です。当時から見よう見まねで取り組んでいました。
ステファン・エドバーグ|サーブ&ボレーの組み立てを学んだのはエドバーグのプレーから
ボリス・ベッカー|ベッカーのダイナミックなプレーや雰囲気がとても憧れました
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