次代のスターはどんなテニスをするのか? Next Gen ATPファイナルズ 技術&プロフィール編
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21歳以下のトップ8が世代ナンバーワンを決める「Next Gen ATPファイナルズ2018」。ここでは出場した8選手のプレーを解説。フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレーの4強を追う若手たちは、いまどんなプレーをして彼らに追いつき、追い越そうとしているのか。【2018年1月号掲載記事】
取材・文◎木村かや子 構成◎編集部 写真◎Getty Images、毛受亮介
※一部のプレー写真はUSオープン、モントリオール、パリの大会で撮影したものを使用しています。
※情報は2018年11月、記事掲載時のもの、世界ランキングは2018年11月13日付
01|チョン・ヒョン(韓国)Hyeon Chung
ジョコビッチを模範とする若手随一のオールラウンダー
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プロフィール
生年月日◎1996年5月19日生まれ(21歳)
身長/体重◎188cm/87kg
利き手/バックハンド◎右利き/両手打ち
世界ランキング◎54位(キャリア最高44位)
出生地/居住地◎韓国・水原市(スウォン)
幼少の頃から目が悪かったため、視力回復を目指す意味も含め、テニスを始めたと伝えられている。子供の頃から眼鏡をかけてプレーしていたため、ついたあだ名は『プロフェッサー(教授)』。
2008年に12歳以下のオレンジボウルで優勝し、それに続き、兄のチョン・ホンとともに、フロリダのボロテリー・アカデミーに短期テニス留学をした。2013年にはウインブルドン・ジュニアで準優勝。決勝では、今回破ったイタリアのジャンルイジ・クインツィに敗れたが、本人はそのときのことを「ジュニア時代に至った最初の決勝で、グランドスラム大会のトロフィーを勝ち獲ったことが、ただただうれしかった」と思い出す。
2015年に初めてシニアでグランドスラムに出場し、同年、ATPの『もっとも上達した選手』に選ばれた。彼は2017年を、「多くのいい出来事があった。グランドスラムで初めて3回戦に進出し、そこでケイ(錦織圭)とプレーした。ATP250で初めて準決勝に進出した」と振り返る。チョンはフレンチ・オープンで錦織を5セットの戦いに追い込む前にサム・クエリー(アメリカ)を倒し、8月のロジャーズ・カップでは、ダビド・ゴファン(ベルギー)を下した。
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フォア、バックから危険が生み出せる
チョンは、そのオールラウンドな能力、そして安定性で、若手の中で抜きん出ている。無駄なミスのない、堅固かつ力強いグラウンドストロークを誇り、必要な瞬間に、厳しいコースを突きつつ、アグレッシブに打ち込んで相手を走らせる。
フォアハンドからもバックハンドからも危険を生み出せるが、メドベデフが「作戦は、彼のバックにボールを集めること」と言っていることから見て、敵にとってより脅威なのはフォアハンドだ。
大柄でがっちりした体格のため力負けもせず、同時にフットワークもよいので、無理して走り回っているように見えなくとも、大概のボールにしっかり追いついて、いい体勢で打つことができている。また相手の強打を切り返すカウンターパンチにも長けており、重心が低く体が安定しており、体幹が強いことから、かなり振られて体勢を崩しても、ボールを相手コートにしっかり返すことができる。バランスのいい体をつくるため、韓国では毎日ジムワークを行っている、と言うチョン。
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常に集中して全力を尽くす姿勢を持つ
また適切な瞬間を見分ける能力を持ち、本人がより上達したい部分に挙げているネットプレーでも、すでにかなりの巧さを誇る。さらにソフトなタッチのドロップショットや、ドロップボレーでも見事な腕前を見せる彼は、真のオールラウンダーだ。かつてフェデラーやナダルに憧れていたという彼の、今のお手本はジョコビッチ。理由は「精神的に強く、ベースラインで優秀かつ堅固な、オールラウンドプレーヤーだから」だと言う。
「すべてをうまくやらなければならないから、メンタル的にも、技術的にも向上する必要があるし、肉体的にもより強くならなければいけない」と言うチョン。常に集中して全力を尽くす姿勢を持ち、カッとなりやすい若手が多い中、精神的にもかなり堅固なほうだが、まだプレッシャーがかかるとナーバスになるところがあるため、「何があろうと落ち着きを保つこと」をモットーに、心理学者の指導も受けている。
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