これがNext Genのプレーだ! 8強激突
02|Andrey Rublev
アンドレイ・ルブレフ
(ロシア)20歳
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/14091/images/8f5f65ca65bdf45acf9168979ecfc2dc9b75d7a3.jpg?h=1200)
スイングスピードの早さ、手首のしなやかさを
存分に生かしたフォアハンドの強打で先手をとる
絶妙のタイミングで放つ
鞭打つような
フォアハンド
ルブレフの頭には、自分のテニスに関するはっきりした考えがある。
「僕はアグレッシブであろうとし、常にラリーの主導権を握る者であろうとする。もちろんときにはボールを深く入れ、ふさわしい瞬間、攻撃のチャンスを待たねばならないときもあるけれど」
こういう彼は、ラウンドロビン(2グループに分かれての総当たり戦)の1試合目でチョンに敗れたあと、やり直せるならどこを変えるか、と聞かれ、「たぶんあるショットをよりアグレッシブに打つだろう」と答えた。
身長はあるものの、その体はまだか細いが、ラインぎりぎりを狙い、絶妙のタイミングで鞭打つようにひっぱたくフォアハンドは、強烈だ。スイングスピードの速さ、手首のしなやかさを存分に生かしたこのフォアで相手を振り回して受け身にさせ、コート内に踏み込んで、ショットを厳しいコースに次々と打ち込んでいくのが、彼の基本戦術だ。
ミスさえ減れば
恐るべき存在に
問題は、試合によって、まだアンフォーストエラーが多すぎることだが、これがすべて入るようになったら末恐ろしい。実際、かつてはエースかミスか、という博打のようなテニスをしがちだったが、ここ1、2年でコースの選択の賢明さやショットの確率が向上し、ムラが減少したことが、このところのランキング上昇につながった。
キレやすく、クレイジーとも言われたが、テニスに対する姿勢は真摯で、「スポーツ選手になると決めたら、成功したいなら、常に100%を注ぐ準備がなければいけない」と信じ、「毎日練習して帰ってきたら、ただ夕食を食べて寝て翌日に備えるだけだから、自由時間を見つけるのは難しい」と言う。
「昨年僕は、すべてにおいて上達した。肉体的にも、ショットの質でも、試合運びでも。でもまだまだ長い道のりが待っている。来シーズンに向け、可能な限りすべてにおいて向上したい」と振り返った20歳は、来季に臨む改善ポイントは「よりコンシスタントになること(一貫性を身につけること)。より安定したプレーをし、アップダウンを減らすことだ」と話した。
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/14091/images/73010d769807178bc0e58947c670112741a7e225.jpg?w=1200)
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プロフィール
生年月日 1997年10月20日生まれ(20歳)
身長/体重 188cm/68kg
利き手/バックハンド 右利き/両手打ち
世界ランキング 37位(キャリア最高35位)
出生地/居住地 ロシア・モスクワ
アグレッシブなプレーをモットーとする、超攻撃的なルブレフは、テニスコーチの母と、元プロボクサーの父の間に生まれた。今もボクシングをたしなむ彼は、現在ATPトップ50の中でもっとも若いプレーヤーだ。
13歳でジュニアツアーを周り始め、2014年には、フレンチ・オープン・ジュニアで優勝。もっとも優勝したいグランドスラム大会に、フレンチ・オープンを挙げる。
かなり本能的な選手に見えるが、実は勉強家でもあり、ナダルのフットワークやフェデラーのフォアハンド、体の使い方などを、ビデオを通し研究してもいるという。
2015年にはダブルスでクレムリン・カップ(ロシア)に優勝し、2017年にはラッキールーザーとして出場したクロアチア・オープンでツアー初タイトルを獲得。同年USオープンでは、ディミトロフ、ゴファンというトップ選手を倒し、19歳にして自己初のグランドスラム・ベスト8に進出し、準々決勝では、最終的に優勝したナダルに敗れた。
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