堀内昌一先生の「レシーブ力を下げるサービスドリル [ゲーム編] 」【本誌連動記事&動画】


ドリル3  同じコースに違うサービスをうち、レシーバーをだます

センターはフラット系、またはスピン系、ワイドはスライス系というように、コースに対して球種を決めているサーバーが多いです。しかし、レシーバーのレシーブ力を下げることを目的とするなら、同じコースにもっと多くの種類のサービスを打てたほうがいいわけです。例えば、センターにスライス系サービスも加えましょう。

試合も中盤から終盤に入ると、レシーバーはサービスの球質に慣れてきます。前述したようにセンターにスピン系サービスばかりを打っていると、レシーバーはだいたいこの高さにくるとわかって反応がよくなるものです。そこでサーバーがコースを変えることも方法のひとつですが、サーバーが打てるコースを狭めるのではなく、コースは同じで球種を増やすという方法を練習しましょう。


レシーバーが、センターにスピン系がだいたいこの高さにくると、とりにいこうとしたところでサーバーがスライス系を打つと、早く動きすぎたレシーバーは自分のほうに食い込んでくるサービスを返球することになり、ミスを誘うことができます。サーバーは同じコースにいろいろな球種が打てたほうがレシーバーをだますことができるのです。


CHECK|サービスの打法は基本的にひとつ、ナチュラルスピンがベース。それをもとに、身体の向きや傾きをごくわずかに変えるだけで、相手にほとんど悟られることなく球種をつくることができる。同じ場所にスピン系、少し速いフラット系、スライス系など、さらに回転量や高さ、速度に変化をつけて球種をつくってほしい。


CHECK|レシーバーはスピン系に慣れて準備が早く、うまく反応している

CHECK|レシーバーがスピン系サービスを予測して早く反応したところへ、スライス系サービスがきたらボディに食い込む結果になる。同じ場所に違うサービスがくるとなれば、そのあとレシーバーは早く飛び出すことができなくなるのだ。このようにサーバーは自分にとって優位になるレシーブを引き出す方法を考えながらサービスを選択していこう。

ドリル4 違う場所から同じコースへ打つ中央線サーブ

サーバーが構えるポジションは各サイドおおむね一ヵ所だと思いますが、1回(2球)打つたびに場所を変えて打っていきます。同じコースへ同じサービスを打っていく、または同じコースへ違うサービスを打っていくなど、これも球種を増やし、レシーバーのレシーブ力を下げるサービスを探っていきます。



CHECK|東京を横断する中央線にちなんで「中央線サーブ」。1回プレーするたび隣の駅へ移る。

CHECK||サーバーがサイド寄りから打つほど、レシーバーは角度を意識することになる。



CHECK|みなさんは普通のストロークを打つときは、いろいろなポジションから緻密にターゲットを狙うだろう。しかしサービスはいつも同じポジションから同じ場所に同じ球種で狙うことが習慣化していて変化に弱い人が多い。例えば調子が悪いとき、太陽が眩しいとき、風が強いとき、同じようにフォールトを繰り返しているときに、ポジションを調整することが修正につながることもある。サービスは変化に強くあるべきだ。

ドリル5 山手線サーブ

ドリル4と同じ要領で、前後斜めに場所を変えて打ちます。その際、スイングやトスを微調整するのではなく、打法を変えずにそれぞれの場所から効果的なサービスを探して、修正をしていくことで、サービスが磨かれ、種類もグッと増えるはずです。


東京を一周する山手線にちなんで「山手線サーブ」。ルール違反となる場所もあるが、それもトレーニングということで挑戦してみよう。

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