堀内昌一先生の「レシーブ力を下げるサービスドリル [ゲーム編] 」【本誌連動記事&動画】
ドリル6 基本的にネットミスはしない!
日本を代表する、そして世界でもトップレベルのサービス力を持つ鈴木貴男プロは、サービスをネットにかけることがほとんどありません。めったにネットミスをしないのです。それはなぜかというと、ネットは障害物で、それを越えた先でレシーバーのレシーブ力を下げることを考えてプレーしているからです。冒頭で解説した〈子供たちのネットミス〉の話につながりますが、サービスボックスに入れることが鈴木プロの目標ではないのです。
そこで練習です。試合では1ポイントにつき2球持ち球があり、1球ネットにかけても2球目が使えます。ただしその2球目は効果的に打たなければポイントが取れない、緊張感をともなうものです。そうした緊張感があるということを踏まえて、練習を試合に近づける工夫をそれぞれがすることが大切です。
まずはネットミスは禁止です。試合に近づけるため、コート(ネット)にボールが落ちていないように努力しましょう。
CHECK|ネットミスをしてボールがたくさん転がった状況に慣れてしまわないこと。ネットミスを気にせずにボールを打つようになってしまう
CHECK|一度ネットにかかったボールを数えてみて。どれだけポイントを失っているかと想像したら、緊張感が増して、もっといい練習ができるはず
ドリル7 10球1セット、または3球1セットで確率を計算しながら打つ
最近はどのスポーツもそうですが、ゲームの統計(スタッツ)がよく使われます。それはプロスポーツだけの話ではなく、みなさんが普段プレーするテニスでも確率が勝敗に大きく影響しているのです。ですから、ただやみくもにサービスを打つのではなく、確率を考えてプレーしましょう。
まずは、みなさんは自分のサービスの確率がどれくらいか答えられますか? これは意識すると誰でもすぐに答えられるようになります。そして、その確率を上げることを意識しながらプレーしていくと、確実にゲームがうまくなります。数字が高いと自信が持て、低いときは早く間違いに気づけるので、修正が加えられ、立て直すことができます。
目安となる数字を紹介しよう
「1セットの平均ゲーム数をおおむね10ゲームで考えてみよう(6−4または4−6)。その10ゲームのうち5ゲームが自分のサービスゲーム。全部キープして、相手のサービスゲームを1回破ったら6−4で勝つことができる」
「1ゲームの平均ポイント数はおおむね6ポイントと考えられる。つまりそのゲームのサーバーはファーストサービスを6球打つことになる。6球中、6球入ると100%、5球入ると83%、4球入ると67%、3球入ると50%、2球入ると33%、1球入ると17%、0球だと0%の確率になる」
「サービスキープの条件とされる頭に入れておきたい数字を紹介しよう。ファーストサービスの確率は60%以上。つまり6球打ったら4球入れなければ60%以上にはならない」
「そのほか一般的に重要とされる数字は次のとおり。ファーストサービスのポイント獲得率は70%以上、セカンドサービスのポイント獲得率は50%以上、1ゲームで最低でも2本のサービスポイント(サービスが有効に働いてポイント獲得に結びつくもの)」
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