【特別インタビュー】内山靖崇「トップ50入りは十分にチャンスがある」

「50の質問」で選手たちの素顔に迫るスペシャルインタビュー企画の第2回。登場してくれたのは2019年にトップ100入りを果たし、さらなる飛躍を内山靖崇。「テニスマガジン2021年8月号」に掲載されたインタビューを再編集した特別版としてお届けする。【インタビュー/2020年5月】

写真◎小山真司、BBM

PROFILE
うちやま・やすたか◎1992年8月5日生まれ。北海道出身。IMGアカデミーへの留学を経て2010年に世界スーパージュニアで単複優勝。11年にプロ転向すると13年にデ杯デビュー。17年の楽天ジャパンオープンではマクラクラン勉とのダブルスでツアー初優勝。19年はツアーで2度のベスト8入り、ウインブルドンでグランドスラム本戦初出場を果たすなどして世界ランクでもトップ100入りをマーク。自己最高は単78位(19年11月4日付)、複102位(18年8月20日付)。積水化学工業所属

「圭君があとに続く日本人選手の道を切り開いてくれた」
――テニスを始めたのは何歳のときですか。

内山 7歳からです。4、5歳くらいから週末に親がテニスをする公園に一緒についていって、その横でお姉ちゃんと遊んでいるという感じだったんですけど。もともとスキーをやっていて、冬しかできないので夏はテニスをしようと始めました」

――スキーとの両立からテニスに専念するようになったのは?

内山 父親の転勤で滝川から札幌に引っ越すことになったのがきっかけですね。スキー場が遠くなってしまったこともあって、テニスに専念することにしました。

――趣味は何ですか?

内山 野球観戦です。実家が札幌ドームの近くで、札幌ドームができたときのオープニングイベントに小学校全体が呼ばれるような場所だったんです。だから北海道日本ハムファイターズが移転してきたときから大ファン。ファンクラブにも入っています。

――試合もチェックしている?

内山 シーズンが開幕したらナイターの18時から毎日、予定を空けておきたいくらい(笑)。スペインに住んでいたときも土日のデーゲームは朝6時に起きて見ていました。海外遠征中で時差があっても、時間さえあればオンラインで観戦しています。いつか札幌ドームで始球式をやらせていただきたいですね。

――「特技は?」と聞かれると?

内山 これも野球になっちゃう。日本のテニス選手の中では一番、野球知識があると思いますね。もちろんファイターズの選手のことは相当。特に西川遥輝選手は同い年で、お会いしたこともあるのでずっと応援しています。野球の話になるとテニスより盛り上がりますね(笑)。

――行ってみたい場所は?

内山 モンテカルロに行ってみたいですね。車が好きなんですけど、ドバイに行ったときはスーパーカーだらけですごい車を見るたびにテンションが上がって。モンテカルロもそんな感じなのかなと思って。モンテカルロ・マスターズはまだ出たことがないので、いつか出たいですね。

――好きな場所は。

内山 これも車の中ですね。ひとりでいる空間。誰にも邪魔されず、好きな音楽を聞いて、考え事をするときもあるし。遠征が長くなってくると「日本に帰って運転したいな」と思うときもあります。ドライブは気分転換にもなりますね。

――好きな選手、あこがれの選手は。

内山 (錦織)圭君ですね。憧れでもあるし、目標でもある。自分も選手ですけど、テニスファンとしても見ていてすごくワクワクする。ショットも多彩だし、見ていて楽しい選手なので。

――どういったところを目標にしていますか。

内山 ショットに関してはあれだけいろいろなショットをうまく打てるようになりたいなと思います。それ以上に、日本人選手として圭君が世界ランク100位を切って、4位まで上り詰めて、あとに続く日本人選手の道を切り開いてくれた、だから、みんな次々と100位を突破していくことができた。切っていって。その影響力、存在感が圧倒的にすごいなと思いますし、一歩でも近づけるようになりたいです。

――錦織選手とはIMGで一緒に過ごした時間もありますが、印象に残っていることは。

内山 僕は4年間、IMGにいたんですけど、ジュニアで3歳離れていると、けっこうカテゴリーが違ってしまう。だからずっと一緒にいたという感じはありません。それでもアカデミーにいるときはゲームをしたり、休みの日に練習に誘ってくれたりしました。プロになって、デ杯(デビスカップ)とかに一緒に出るようになってからのほうが、濃い関係になったかもしれないです。

――錦織選手に影響を受けた部分はありますか。

内山 よくアドバイスをしてくれます。同じ選手として同じカテゴリーで戦っているのに、気づいたことを惜しみなく言ってくれる。しかも、僕の試合をたまたま見たからとかではなくて、わざわざネットなどで僕の試合を見て、分析して教えてくれたりする。普通ではないですよね? だから自分にとってはすごく大きな存在です。

――勝ってランキングを上げることで恩返しをしていく。

内山 そうですね。2019年のウインブルドンで僕が予選を勝ち上がったときもすごく喜んでくれましたし。もっとランキングを上げて、同じ舞台で戦えるようになることが恩返しかなと思っています。

錦織(右)は憧れの存在

――好きな大会は何ですか。

内山 一番は楽天ジャパンオープンですね。小さい頃からの憧れはグランドスラムですけど。満員のお客さんの前でプレーできた経験というのは、グランドスラムでもトップクラスにならないと味わえないものですから。

――それでは好きなグランドスラムは。

内山 これまではずっとUSオープンだったんですけど。お祭りみたいに盛り上がっている感じが大好きなので。でも最近はウインブルドンですね。原点に戻りました。結果が出た、予選を上がれたというのもありますし、あの芝のクオリティーはほかの大会とは比べものになりません。

――楽天ジャパンオープンとウインブルドンを挙げてもらいましたが、プロになってから一番思い出に残っている大会は何ですか。

内山 2つあるんですけど。両方とも楽天ジャパンオープンです。ひとつはマクラクラン勉と組んでダブルスで優勝した2017年の決勝。前日の準決勝が終わったのが夜で、21時くらいにホテルに戻って、次の日は10時には会場入りして13時から決勝。ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)に勝って、イケイケのまま優勝してしまいました。ワイルドカードでの出場で、そこまで勝てるとは思っていなかったんですけど、決勝のときには「いいプレーをすれば誰にだって勝てる!」という無敵状態でしたね(笑)。

――もうひとつの印象に残っている楽天ジャパンオープンの試合は何ですか。

内山 19年のシングルス2回戦、ラドゥ・アルボット(モルドバ)に勝った試合です。予選からいい勝ち方をしていて勢いに乗っていたのですが、粘り強く勢いだけでは勝てない相手にファーストセットを落として。それまでの自分だったらそのままストレートで負ける展開だったのが、そこから巻き返して逆転勝ち。自分の成長を感じられた試合でした。

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取材・構成◎杉浦多夢

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