堀内昌一先生の「レシーブ力を下げるサービスドリル [ゲーム編] 」【本誌連動記事&動画】
ドリル8 ポイント後を想定し、心拍数を上げて打つ
サービス練習と言えばだいたい夕方、練習の最後のあまった時間に行ったり、ゲームやポイントの練習を始める前にウォームアップ程度で“少々打つ”ことが多いでしょう。そういうときは“非常にリラックス”していることが多く、実際の試合でサービスを打つときと比べると、まるで状況が違うことがわかります。前述したように「緊張感」をつくることも課題ですが、もうひとつ実際の試合でサービスを打つときと練習とで決定的に違うのが「心拍数」です。
試合のサービスゲームは、1ポイントをプレーしたあとに20秒のインターバルを挟んで次のポイントが始まります。1ポイントはサービスもしくはリターンで終わることもあれば、ラリーが続いたり、ネットプレーが入ったり、ロブを追いかけたり、ドロップショットを拾ったり、走り回ることも多々あります。例えば10秒プレーしたあとで息が上がっていたら、20秒の間に息を整え、次はどのようにプレーしようかと考えてサービスの構えに入るわけです。それが試合です。
ということは、サービス練習はリラックスしている上、負荷が軽いため、試合とかけ離れた状況であるため、次のように練習をします。1ポイント(2球持ち球)を練習したら、ラケットを持ったままコートを一周ランニングし、心拍数を上げて、さらに走っている間に次はどういうサービスを打とうか頭を整理しておいて、次のポイントに入るようにします。
一周走って構えるまでがだいたい20秒くらいですから、ちょうどインターバルの時間です。きつい練習かもしれませんが、実践的でもあります。試合のサービスゲーム数分くらい、ぜひトライしてみてください。
CHECK|普段から試合と練習で打つサービスに違いがないようにしていく。
練習をできる限り、試合に近づける努力をしよう
テニスコート全体で考えると、サービスボックスは非常に狭いエリアで、しかも考えようによっては、サーバーはレシーバーに対して最初から、そこに短く打ちますよと、約束しているようなものです。そういう状況で、もしもポコッと入るだけのサービスを打ったら、それはレシーバーにとって大チャンス。だからこそサーバーは、レシーバーにどこでどう打たせ、レシーブ力を下げて自分のチャンスとするかを考えてサービスを打たなければいけないのです。
もうただ打つだけの、サービスボックスに入れることが目標のサービス練習は終わりにしましょう。練習で打つサービスと試合で打つサービスができる限り違わないように、近づける努力をしましょう。みなさんは今回紹介したドリルも取り入れながら(応用しながら)、何かしらいつも意識してできるはずです。期待しています。
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