身体を動かす前の“3つの刺激”「①ほぐす」【中村豊トレーナーのテニスアスリート革命|第65回】


 日々の生活で、特に今はコロナ禍の生活で私たちはストレスを感じています。それが心身に何かしらの
歪みを生じさせているかもしれません。そこで普段私が行っている身体を労るメニューを紹介しましょう。

指導◎中村 豊
なかむら・ゆたか◎東京都出身。桐光学園高校卒業後、米国にテニス留学。 チャップマン大学でスポーツサイエンスを専攻し、トレーナーの道へ。過去には錦織圭、マリア・シャラポワを指導。2018年10月からIMGアカデミーのテニス・ストレングス&コンディショニング部門総括を務め、盛田正明テニスファンドの顧問ならびに選手育成に携わっていた。2020年6月から大坂なおみの専属トレーナーとなる

写真◎中村豊 構成◎編集部

コロナ禍で生まれたストレスは
心身のどこかに
歪みとなって現れるかも

 現在はこの状況下ですから、コロナの影響を十分考慮しての遠征となります。現地入りして、大会期間中は会場とホテルのみの移動(バブル)、制限のかかった隔離生活で事を進めていくことになります。様々な形での規制、制限がある状況が続き、その中ではやはりストレスが生まれ、それが溜まると何らかの形となり、心身のどこかに歪みを生じさせます。

 私は仕事以上に運動することが大好きで、ジムでのウエート系トレーニングから、走る系トレーニングを行い、心身のリフレッシュ(充電)をしています。

 しかし、私事で恐縮なのですが、昨年暮れに左の腓腹筋(ふくらはぎ)に軽い肉離れを起こしてしまいました。走る動作での運動を再開すると、あるスポット(以前は腓腹筋とアキレス腱の分かれ目、最近は腓腹筋の外側頭)に強く引っ張られる感覚がありました。これ以上走るとまずい……もっと悪化する……という恐怖心がどこかにあるのです。数ヵ月続いたこの状況を今は直視して、初心に戻る気持ちで向き合っています。しっかりとていねいに自分の身体を労わる形で接し始めました。それによってこのところいい状態で走れています。

 みなさんには、私が現在、継続して行っている『身体を動かす前の3つの刺激』を紹介します。
① ほぐす|Massage 👈
② 伸ばす|Stretch
③ 動かす|Stabilize

 まず①の『ほぐす』についてです。これまでも私は身体を労る方法をいろいろと試してきたのですが、ほぐすことは改めて非常に大切だと感じています。運動前に、そして日々の生活においても欠かせないものであり、積極的に取り組んでほしいです。

 患部を中心にフォームロールの上に乗せ、理想は患部を含めて、全身をほぐすこと。ただ、最初から無理はしないでください。可能な範囲で体重をかけ、前後左右にゆっくりと動いていきましょう。

①ほぐす
Self massage

使用◎フォームロール
使用箇所◎ 患部中心、ふくらはぎ&大腿四頭筋

 フォームロールがなければテニスボールなどでも代用できます。このトレーニングは患部の筋膜はがしが期待できます。筋膜とは、幾つかの筋群を覆っているもので、巻き付くようにつながって全身を覆っている状態をイメージしてください。長時間の運動で強い運動負荷がかかったり、無理な姿勢を継続するなどしたら、筋膜のどこかにねじれが生じて、これが連鎖反応を起こし凝りや痛みの原因となります。

 私のように運動中(ランニング)に痛めた以外にも、日々のデスクワークやパソコン作業をしていて凝り固まってしまうこともあります。そういう疲れた身体を労るときに、メンテナンスとして「ほぐす」ことを行うと、大いに効果が期待ができます。

やり方

1|フォームローラーの上に患部(この場合はふくらはぎと大腿四頭筋)を乗せ、可能な限りの自重をかけます。



2|“痛気持ちいい”程度にゆっくりとフォームローラーを転がしましょう。

3|筋膜をはがし(すなわち、患部をストレッチして伸ばし)、血行不順が招く不調の改善を図ります。凝り固まった患部の改善が期待できます。

4|コツはしっかりていねいに全身くまなく……の意識で行うことです。日々やることによって自分の硬い部分、コリの場所がわかってきます。私たちには個々に動きの癖があり、それによって圧迫された部位を中心的にほぐすことがポイントです。痛みのない箇所は流す形でも構いません。テキパキと行い、短いときで5分、長くても10分以内に終えます。

注意点

 やり過ぎは皮膚や筋肉を傷めるおそれがあるため、1箇所につき30~60秒を目安に行います。コツコツと日々労るという意識で取り組むことがベストです。

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