テニマガ・テニス部の試打の鉄則「五箇条」






 このテニマガ・テニス部の部活『春の大お試し会』に参加した部員たちの、試打に対する意識はかなり高かった。みんな真剣に「ベストフィットを選ぼう!」という気持ちを持って参加してくれていた。そんなナイスな5つのシーンを見習ってほしい。



 ラケット試打において重要なことは「自分の感覚だけでなく、打球結果を客観的に判断する」ということだ。そのためには、自分のことをよく知ったパートナーがいてくれるのが心強い。

 いわゆる試打会では、「球出し」でじっくり打つ場合と「ラリー」で生きた打球を打ち返す場合とがある。実戦を考えれば、ラリーの結果によって、自分に最適のラケットを見出すのがいいが、どうしてもラリーを続けることに気をとられがちになり、打球結果や、自分の打球フォームを客観的に判断できにくくなる。

 こんなとき、自分のフォームをチェックしてくれたり、ラリーの相手となってもらい、打球効果を体感してもらって感想をもらえる「パートナー」がいてくれるととても助かるものだ。



 メーカーの試打会はもちろんだが、ショップやスクール主催の試打会でも、ラケットメーカーの担当者が来場している場合がある。そんなときは、絶対にチャンスを逃してはならない。

 自社ラケットのことを熟知しているメーカー担当者は、それぞれがどんなプレーヤーに向いているかを知っているから、まず自分の希望を伝え、「それにはどれを試打すべきか?」と訊けば、かなりの的中率で絞り込んでくれる。

 数多くの試打ラケットがある場合は、すべてを十分に打つのは難しいから、できるだけ絞り込んで、集中的に打つことも考えなければならない。彼らに打球状況を見てもらって、自分にはどれが最適かを判断してもらうのも一つの方法だろう。





 30年以上もいろんな試打会を見てきたが、ほとんどの参加者が「自分のベストショット」を試そうと、渾身の力を込めてハードヒットする。腕に覚えのある人ほど、その傾向は強くなるが、そうした「快楽的試打」に浸っていたのでは、本当に心強い相棒と出合えない……ということを知ってほしい。

 上級者であれば、速いペースのラリーにもそれなりに対応でき、強打すればエースを奪うのも容易いだろう。だが信頼できる武器には「攻撃と守備」の二面性がなければならない。もちろん試打で全力パフォーマンスを試すのもいいが、本当にじっくり確認すべきは「苦しいときにどれほど頼りになるか?」である。ラリーで追い込まれたときにこそ、集中して見極めよう。



 たくさんのラケットを試さなければならない試打会では、どうしても球出しやラリーでの試打が重視され、なぜかサービスは軽視されがちというのが実情だ。

 しかしテニスにおいて唯一、サービスだけが「自分のリズムだけで打てるショット」であり、それ1本でポイントが決められる重要な武器となる。苦手意識を持っている人は別として、サービスは非常に大きな攻撃力を発揮するわけだ。

 また、そのラケットのポテンシャルが、いかに自分にマッチするかを、プレーヤー自身がじっくり観察することができるという意味で、サービス試打は重要である。だから、ストロークで自分に適していると判断できるラケットがあったら、サービスやボレーも必ず確かめてほしい。


 試打会でとてもよく見かけるのが「あれっ、さっき気に入ったラケットはどれだっけ?」と探す姿。昨今は、各メーカーとも「スペックは違うのに同一デザイン」というモデルが多く、試打会参加者は、どれがどれだかわからなくなる……ということが頻繁に起こる。

 「そんなこと面倒くさいよぉ」とおっしゃる方も多いとは思うが、できれば1本ごとにメモを取っておくことを勧める。実は文字にするという作業に意味があるのだ。ただ憶えているだけでは印象しか残らないが、文字にしてまとめることで、感覚と結果を、より客観的に考えることができ、それを参考に、あとで絞り込んで試打を繰り返すのにも役に立つということだ。

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