夏本番に「熱中症」安全対策〜スタンダードは“クール・ファースト”

写真◎Getty Images



2|対策①体を冷やす

重度の熱中症が
疑われるときは
現場で体の冷却が最優先


 熱中症の重症度においてⅠ度のときは現場で対応し、Ⅱ度、Ⅲ度になった場合はできる限り早く医療機関に救急搬送する、というのが救急医学会の方針です。しかし最近は、重症の熱中症の場合にはできる限り早く現場でもまず冷却を行うことが重要と言われています。つまり「クール・ファースト」「トランスポート・セカンド」。まずは現場で体を冷却することが最優先になっています。現場で高温状態の時間をいかに短くすることができるかが、その後の救命率に大きな影響があるからです。

 都市部であれば救急車の到着は平均6分と言われていますが、到着が遅くなることもありますし、搬送先を確保するために出発に時間がかかることもあります。高温状態が長い時間になると体に深刻なダメージが残ってしまう可能性も高まりますので「クール・ファースト」の知識は重要です。 特に現在は新型コロナウイルスの影響もあり、救急患者の搬送と受け入れに時間がかかることもあります。救急車を呼んでも、まず体を冷却することが重要です。

 この時期は大会に限らず、普段のコートでのレッスンや練習などでも、常にアイシング=身体を冷却できる方法を用意しておくことは必須になります。Ⅱ度、Ⅲ度の熱中症が疑われる場合は寝かせた状態で、氷水に浸したタオルを上半身、手足から全身にかけていき、それを頻繁に取り換えてください。体温冷却が必要なときにできる準備をしておくことです。

 すべての大会でドクターやメディカルトレーナーが配されているわけではないですし、レッスンや練習の場合はコーチや練習パートナーなどがファーストコンタクトを取ることになります。プロでも一般のプレーヤーであっても、「クール・ファースト」をはじめとする熱中症に対する知識を備えておくことは重要になります。


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