夏本番に「熱中症」安全対策〜スタンダードは“クール・ファースト”
4|プレー中のマスク
マスクを着けてのプレーは
熱中症のリスクを高める
テニスは人と人との
適切な距離が取れるスポーツ
新型コロナウイルスを含めた感染症対策という観点から、現在はマスクを着用することが社会的なルール、エチケットになっています。ただし、スポーツ時におけるマスクの着用についてはスポーツ庁から、熱中症のリスクを考えながら各競技団体にガイドラインを含めて検討することが求められています。
夏場のテニスにおいては、やはりプレー中にマスクを着用するには熱中症発症の注意が必要です。 まず、テニスはソーシャルディスタンスを確保しやすいスポーツです。しっかりと一定の距離をとってプレーすることで、飛沫感染を防ぎながらマスクを着用せずにプレーすることもありえます。
そして「熱中症対策」です。夏の暑い環境下でプレーをすると、必ず多くの汗をかきます。もともとマスクを着用すると呼吸抵抗が大きくなりますが、さらに汗でマスクが濡れると、水の膜は空気を通さないのでさらに呼吸抵抗は大きくなります。濡れたタオルで口をふさがれたような状態になってしまうのです。
呼吸には体の深部温度を下げる効果もあります。吐く息とともに体内の熱を外に出し、気温が体温より低ければ、吸った冷たい空気によって肺から体内が冷やされていきます。ところがマスクをしていると、吐いた熱い息がそのまま顔に当たることになり、その熱によって体表温度が上がってしまうのです。
また、マスクによって呼吸抵抗が大きくなると、呼吸をするためにいつも以上に横隔膜や肋間筋を使うことになり、結果として筋肉の運動量も増え、運動エネルギーにより体温は上昇してしまいます。マスクをすることによって、呼吸をしたり心臓を動かしたりといった基礎代謝量が上がることになるのです。
普段の生活においては感染症予防のために必要なマスクですが、熱中症予防においては逆効果になってしまい、熱中症のリスクを高めてしまうことになります。繰り返しますが、テニスは人と人の適切な距離がとりやすいスポーツです。人との距離をとり,接触も避けることで、マスクを外してのプレーでも感染症リスクを下げることが可能です。
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