奈良くるみ「50の質問」応援してもらえることがどれだけ幸せなことだったのかを感じている|Player File 6
「50の質問」で選手たちの素顔に迫るスペシャルインタビュー企画。今回、登場してくれるのは 日本女子テニスをけん引してきた奈良くるみ。再浮上への階段を歩み出した“小さな巨人”の素顔とは――。(テニスマガジン2020年12月号掲載記事)
(※当時のまま)
なら・くるみ●1991年12月30日生まれ。兵庫県出身。3歳でテニスを始め、小学5年生で全小準優勝、翌年優勝、中学1年生で全中単優勝を果たし、以降も数々のジュニアタイトルを総なめに。2009年にプロ転向、同年の全日本選手権を制す。2014年はリオデジャネイロでツアー初優勝、キャリアハイの世界ランク32位を記録。グランドスラムでは2013、2017年のUSオープン、2014年のオーストラリアン・オープンで3回戦進出。自己最高は単32位(2014年8月18日付)、複109位(2016年5月2日付)、最新ランクは単157位、複946位(2020年10月12日付)。安藤証券所属
「ライバルであり親友。みっちゃんと同じ世代で本当に良かった」
Q1 テニスは何歳から始めましたか?
「3歳からです。両親がテニスをやっていて、父の『子供をテニス選手にしたい』という思いが強かったみたいです」
Q2 小学2年生で江坂テニスセンターに通うようになりましたが、水主勝コーチ(現テニスクラブ コ・ス・パ神崎川)はどんな存在ですか?
「本当に恩師と呼べる存在です。水主コーチと出会って、テニス選手としてもそうですが人間としても指導してもらったので、私にとっては大きな出会いでした」
Q3 ジュニア時代はタイトルを総なめにして「天才少女」と呼ばれましたが?
「正直、当時は勝って当たり前の世界で。『どうやってたんだろう』と思うくらい勝てていたので、プレッシャーはありましたけれど『強い私を見てほしい』と思えるくらい、状況を楽しめていました」
Q4 テニスがイヤになることはなかった?
「小さなスランプはありましたが、テニスに打ち込めていたと思います。水主コーチに朝練してもらったり、もちろん学校にも通っていたのですごいスケジュールでしたけれど、努力を惜しまず頑張れていた。水主コーチをはじめ江坂テニスセンターのコーチや親が努力する機会を与えてくれて、頑張って、試合で優勝できたらうれしいし楽しい。それが生きがいでした」
Q5 ジュニア時代で一番思い出に残る大会は?
「やっぱり(2008年の)世界スーパージュニアの優勝ですね。勝てると思っていなかったのでうれしかったですし、それまで漠然としていたプロへの思いも『できるんじゃないか』『やってみたい』という心境の変化があったので。世界で戦っていく自信が少しついたし、戦ってみたいと思えたのはそのときだったと思います」
世界スーパージュニアの優勝はプロへの気持ちを強くする大きなきっかけとなった
Q6 ジュニア時代から切磋琢磨する土居美咲選手はどんな存在ですか?
「“同志”ですかね。いいライバルであり、いい親友でもある。変にライバルとして意識し過ぎることはなく、互いに尊敬できるし応援もできる。みっちゃんと同じ世代で本当に良かった。同じ志を持ってやれている大きな存在です」
Q7 土居選手に対してはジュニアの頃からそうした感覚だった?
「ジュニアのときは私のほうが全然強かったので(笑)。でも、私にはないパワフルなショットはジュニアの頃から『うらやましいな』と思っていました」
Q8 プロでランキング的に競り合えるほど土居選手が成長したのは 刺激になりましたか?
「ずっと努力しているのは見てきたので、みっちゃんが頑張ったら、『私も頑張らなきゃ』という気持ちになる。私もみっちゃんにそういう刺激を与えたこともあると思うので、本当にいい関係だと思います」
同い年の土居(右)はライバルであり親友
Q9 ラケット&ウェア&シューズ のメーカーは?
「全部ダンロップさんです。ジュニアのときからお世話になっていて、ずっとチームとして支えてくれているので本当に心強いです」
Q10 趣味は?
「昔からバイクレースの観戦が好きで、MotoGPをよく見ています。これも父の影響ですね。小さいときから好きなライダーはバレンティーノ・ロッシ選手です!」
Q11 特技は?
「特技……ではないんですが、忘れ物が多くて『忘れ物大魔王』と呼ばれています(笑)。手が勝手に動いて、ポンと大事なものを置いて、そのまま忘れていっちゃう。空港でパスポートとかも……どうしてなんでしょう?」
Q12 ツアー生活の中で忘れ物のトラブルは?
「いつも何とかなっちゃうんです。『戻ってきて大丈夫だったから、反省しないんだ』ってみんなによく言われます(笑)」
Q13 行ってみたいところは?
「みっちゃんや青さん(青山修子選手)とよく話しているのは『日本全国、47都道府県全部に行ってみたい』ということ。引退後も含めて、一生かけて行ってみたいですね」
Q14 好きな食べ物は?
「納豆などのネバネバ系。とろろやオクラも大好きです。遠征から帰ってきたときに『何を食べたい?』と聞かれて思い浮かぶのはいつも納豆ご飯です」
Q15 好きな色や勝負カラーは?
「勝負カラーじゃないですけど、緑が好きですね。洋服とかも。自然に近い色だからなのかな」
Q16 好きな場所は?
「家! 理想の休日は家でゴロゴロしていることですね。一日中、パジャマでゴロゴロしていると幸せを感じます(笑)」
Q17 好きな国は?
「アメリカですね。まだヨーロッパの良さに気づけていないので、アメリカの生活のしやすさや過ごしやすさが好きです」
Q18 好きな大会は?
「やっぱりアメリカのインディアンウェルズです。リゾート地なんですけれど、カリフォルニアは気候もいいし、会場もすごく気持ちいいところ。大きな大会ですが、リラックスできます」
Q19 好きな選手・憧れの選手は?
「ジュスティーヌ・エナン選手です。体が大きいわけではないのにテニスが多彩で、何より強気な駆け引きができるところが見ていて面白かったです」
Q20 好きなグランドスラムは?
「グランドスラムは全部好きです。でも、やっぱりUSオープンかな。2013年に初めて予選を突破して、そのまま3回戦まで勝ち進んで、初めてトップ100に入ることができた場所。思い出がたくさんあります」
Q21 自分のプレースタイルを自己分析すると?
「足を使って、フットワークで相手を広く動かすように展開するのが一番の持ち味です」
フットワークを生かした展開力は今も変わらぬ大きな武器
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