奈良くるみ「50の質問」応援してもらえることがどれだけ幸せなことだったのかを感じている|Player File 6



「トップの選手たちと戦えることで、1試合1試合がすごく楽しかった」

Q22 どんな展開でポイントを取ったときが一番気持ちがよいですか?

「アングルショットから深いところに展開したり、ドロップショットだったり、左右もそうですが、相手を前後に揺さぶることができたときですね」

Q23 一番悔しいポイントの取られ方は?

「私はロングラリーにもっていきたいタイプなので、ビッグサーバーやパワーショットを持っている選手に3本以内でポイントを仕留められてしまうときが一番つらいです……」

Q24 自分のメンタル面を自己分析すると?

「誰かと比べられるものではないですが、フィジカル面を含めてしっかり準備できているときは集中力があるほうだと思いますし、ゾーンにも入りやすい。そういうときは最後の苦しい場面でも強気にプレーできているかなと思います」

Q25 集中力の高さは普段の練習からですか?

「小さな積み重ねをしていくことはけっこう得意なので、そういうところが試合での集中力につながっているかもしれませんし、練習でもそういう気持ちでやるように心掛けています」

Q26 試合での調子のバロメーターは?

「バックハンドのダウン・ザ・ラインでポイントが取れているときはいいテニスができているときですね。フォアで展開をつくって、バックで仕留められているときは調子がいいです」

Q27 誰かの何かがひとつ手に入るとしたら?

「誰かのビッグサーブが欲しい! 1試合で10本だけでもいいから打てたらいいのになあ(笑)」

Q28 原田夏希コーチはどんな存在ですか?

「一緒にテニスを作り上げるということをやってきましたし、夏希さんのおかげでテニスが、自分のテニスを向上させていくということがすごく楽しくなりました。本当に素晴らしいコーチだと思います」

Q29 プロになって一番思い出に残っている大会は?

「やっぱりツアーで初優勝した2014年のリオデジャネイロですね。まだクレーコートでは苦戦しているときだったので、優勝できるなんて全然思っていなくて。すごくうれしかったのを憶えています。この優勝でトップ100に定着してトップの選手たちと戦えることで、1試合1試合がすごく楽しかったです」


リオデジャネイロでのツアー初優勝がさらなる成長のきっかけとなった

Q30 自己最高32位を記録した2014年以降も安定した成績を残し続けた要因は?

「もちろんランキングを落としてしまうかもしれないというプレッシャーはありましたが、それ以上に『この場所で戦っていたい』という気持ちがモティベーションになっていました。結果だけを見れば2014年が一番良い年でしたけれど、テニス的にはそこからどんどん成長していくことができたので、毎年のように充実したシーズンを送ることができていました」

Q31 成長した部分とは?

「サーブも少しずついろいろなことにトライしましたし、フォアハンドも回転主体だったところから強いショットも身につけていったり。一つひとつは細かいことですが、いろいろアップデートしていくことができたかなと思います」

Q32 ツアーを回ることも楽しめるようになりましたか?

「それも成長かもしれないですね(笑)。日本大好き人間なので、ジュニアのときはよくホームシックにかかっていたし、海外遠征に行くこと自体がしんどいときもありました。大人になるにつれて現地でのご飯が楽しみになったり、行く先々の楽しみが増えていって。『あと何日で日本に帰れる』というのをずっと考えながらしていた遠征が、今では楽しみに思えるようになっています」

Q33 2018年後半から徐々にランキングを落としてしまいましたが、何が起こっていたのでしょうか?

「特に何かが起きたわけではないですね。体力面を含めて試合に向けたいい準備ができなかったり、単純に試合に勝てなかったり、ということが重なってしまったのだと思います」

Q34 2020年シーズンはどんなスタートが切れましたか?

「昨年のオフからいいトレーニングができて、『次のチャンスが来るまでしっかり頑張ろう』と思えるくらいテニスの状態は良かったのですが、そこで新型コロナウイルスの影響でツアーが休止してしまったのはちょっと残念でした」

Q35 ツアー中断の間はどう過ごしていましたか?

「テニスコートで練習できるようになるまではバイクマシンなどのトレーニング機材を家にそろえて体力強化とか、ツアーが始まったときにしっかり動けたらいいなという思いで汗を流していました」

Q36 どのようにモティベーションを保っていましたか?

「もちろん先は見えなかったんですが、あまり深刻には考えずにいましたね。先ほど言った『目の前の小さな積み重ねに打ち込める』という性格が良かったのかもしれません」

Q37 久々のツアー復帰となったUSオープンは土壇場でストレートイン が決まりましたが、準備も大変だったのでは?

「バタバタでした(笑)。裏ではヨーロッパでクレーの大会もあったのですが、グランドスラム本戦のチャンスがあるならということで、出られなくてもとりあえずアメリカには行こうと。本戦に入ることができてよかったです」

Q38 試合の手応えは?

「フィジカル的にもテニス的にもいい準備はできていたのですが、試合勘がない中でぶっつけ本番で入ったこともあって、自分のテニスができないままあの結果(1回戦でパトリシア マリア・ティーグに1-6、0-6のストレート負け)は、ちょっとショックでした……」

Q39 USオープンの感染症対策は?

「本当にしっかりしていました。バブル(隔離空間)も含めて『ここが一番安全なんじゃないか』と思うくらい、徹底していたと思います」

Q40 一時帰国してフレンチ・オープンを含めたヨーロッパ遠征に出発しましたが、出入国は大変でしたか?

「アメリカに滞在していたのでパリからフランスへ入国するときにPCR検査の陰性結果が必要だと言われていたので、自分で検査を受けてパリに向かったんです。でも、なぜか提出を求められず……。無事に入国できたのが一番なんですけど、せっかく検査を受けたのでちょっとくらい見てほしかったです(笑)」

Q41 いつもとは違う季節のロラン・ギャロスはどうでしたか?

「寒かった(笑)。初めてパリの紅葉を見て、キレイだったんですけれど、やっぱりちょっと寒かったですね」


久しぶりのロラン・ギャロスには戸惑いも……

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