杉田祐一「50の質問」キャリアハイの36位は絶対にまた超えることができる」Player File 4
Q41いよいよツアーが再開します。
「ウェスタン&サザン・オープンとUSオープンから遠征に行く予定ですが正直、不安は大きいです」
Q42何が一番不安ですか?
「ただでさえ海外に遠征して大会に出るのはすごくストレスがかかるのに、新型コロナウイルスの影響でそれ以上のいろいろなストレスがかかってくるかと考えると、恐怖心さえ感じます。だからこそ『どんなところにも行く』という覚悟でやらなければいけないと思うし、できる限りの準備をしてやり切りたいと思います」
Q43調整は順調でしょうか?
「体はしっかりでき上がっているんですけど、ツアーというのは独特なので実戦から離れている影響は大きい。大会に出場しながら調整していくというのがツアーのスタイルですが、トレーナーやコーチに帯同してもらえない中で、どう調整していくかですね」
Q44遠征の中での調整が重要になる。
「一発勝負のスポーツではないですから。大会が半年や4ヵ月に一度だったら話は違うんですけど、テニスのツアーは“調整のスポーツ”。大会がこなせていない中でどのようなスタートになるか、その先どうなるかは探り探りになると思います」
Q45ドタバタのツアー再開ですが不平等感はありますか?
「正直、感じますね。例えば新たなランキング制度。過去22ヵ月で算出されることになり、僕にとってはメリットが大きい。ポイントを失うことなく、大会に出て勝ち進めばランキングが上がります。でもトップ選手はそうではない。同じ大会に出ても前年に優勝していたらそれ以上の成績はない。ただただ下位の選手に追い上げられるだけ。どういうモティベーションでトップの選手たちがやっていくのかという点は気になります」
Q46以前からオリンピックへの強い思いを抱いていました。
「東京で開催されるということに、さらに大きな意味がありますよね。年齢的にもオリンピック出場を狙うのは最後のチャンスになるかもしれませんから」
Q47現時点での目標は?
「やはり開催されるなら来年の東京オリンピックというのはひとつの大きなゴールになります。自己最高36位の更新を狙いつつ、東京オリンピックに向けたランキングであったり、大会の選び方が変わってくるので、大きなポイントですね」
リオデジャネイロ五輪では2回戦進出。東京でのオリンピック連続出場が現時点での最大の目標となる
Q48年齢を意識することはありますか。
「9月で32歳、あっという間ですね(笑)。今は衰えなんてまったく感じてないですし、むしろよりいい状態で大会に出られると思っていますが、ガタが来るのはいきなりだと思います。プレースタイル的にも、体力勝負ができないという負い目を感じた瞬間、一気に勝てなくなってしまいますから。そこはしっかり鍛えていきたいと思います」
Q49あらためてテニスの魅力は何ですか?
「相手と1対1で3時間も勝負できるスポーツはほかにないですよね。世界を転戦しながら、いろいろな生い立ちの選手たちと、全力でぶつかり合える。時には相手の内面までもが見えてくる。そこまで感じることができるようになるためには人間的にもいろいろな経験をしなければならない。もっともっとそうしたことを感じられる選手になりたいと思うし、そのことがテニスというスポーツをより楽しむために重要なことだと思っています」
Q50最後にファンへのメッセージを。
「テニスファンの方たちはツアーの再開を待ってくれていたと思いますし、僕自身もツアーが中断している中で、とても楽しみにしていました。まだツアーがどういう形になっていくかはわかりませんが、早く純粋にテニスを楽しめる日が来てほしいですし、そうした環境がつくり出せていけたら最高です。そのときはまた一緒に盛り上がれるように、しっかり準備して頑張っていきたいと思います」
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