ナダル+フェデラー=ジョコビッチ〜新しいタイプのフォアハンド_ジョコビッチのフォアハンド検証第1弾

それってどういうこと!?

ジョコビッチはナダルに近いグリップながらフェデラーのようなポジションにいる!

厚いグリップでライジングで打つジョコビッチ

 ジョコビッチは、その極端に厚いグリップとプレーするポジションをどのように“融合”させるように努めているのかを見てみましょう。

 ナダルは一般的に、空中に向けて打ち出すような形でボールを肩あたりの高さでとらえつつ、ベースラインより10フィート(3m)ほど後ろ、ときには、それよりもさらに後方でプレーしています。どこからでも、どんな高さでもボールを打つ力を持ち、素晴らしい守備力を備えているのがナダルです。

 そのナダルに近いグリップの持ち主がジョコビッチですが、彼のお気に入りのポジションは、比較的ベースラインに近いところです。ジョコビッチはそのポジションから頻繁にボールをライジングでとらえ、おおよそ腰から胸までの高さでインパクトしています。そのポジションやボールをとらえる高さはフェデラーとほぼ同じか、近いものですが、両者のグリップはかけ離れています。この点が、ジョコビッチにもっとも驚かされる点で、興味深い点でもあります。

ポジションはベースラインから後方90㎝以内

 私はハイスピードカメラを使ってジョコビッチのフォアハンドを50種類、細かく分析した結果、彼はそのほぼ半分を、ベースラインから後方へ3フィート(90㎝)以内のポジションで打っていました。また、その多くにおいて、右足がベースラインに触れるかラインのすぐ後ろにあり、また、その場合はラインよりも前でボールをとらえていることがわかりました。

 ジョコビッチのその50種類のフォアハンドにおいて4分の1は、ベースラインから5フィート(1.5m)ほど後方のポジションで打っていました。ジョコビッチはときにベースラインから10フィート(3m)後方の深い位置からボールを打つのですが、そのようなケースのフォアハンドは精度が非常に低いことがわかりました。これはラリー中に相手に下がることを強いられた場合に起きていました。

厚いグリップで、ベースラインの後方でプレーすることが多いナダル。空中に打ち出すような形でボールを打つ

ときにジョコビッチは、ベースラインから10フィート(3m)後方の深い位置からボールを打つことを相手に強いられることがあるが、その場合のボールの精度は低いことがわかっている

多くの場合でジョコビッチは、ベースラインから後方へ3フィート(90㎝)以内のポジションでプレー。右足がベースラインに触れるか、すぐ後ろにあり、ボールをとらえる高さは腰から胸の高さ。また、その場合はベースラインの中にインパクトがある

ジョコビッチのフォアハンドを50種類調査|結果

半分は…

●ベースラインから後方へ90㎝以内でプレー

●右足がベースラインに触れるか、すぐ後ろにあった

●ベースラインよりも前にインパクトがあった

1/4は…

●ベースラインから後方へ1.5mのところでプレーしていた

ときに…

●ベースラインから後方へ3mのところでプレーしていたが、その場合、ボールの精度は低いことがわかった

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