ルイ・カイエ_最新ダブルス入門_vol.03「ダブルスの『テリトリー』を完璧マスター」_初心者から国際レベルのプレーヤーまで、同じアプローチで上達できる!
2人のテリトリー
ダブルスは真ん中が抜かれやすいと言うのは本当か!?
真ん中とはセンターベルトではなく、テリトリーにいる2人の真ん中
クロスのボレーヤーはセンター寄りに構える
チームがダブルスのシステムを理解すると、それぞれが自信を持ってプレーできます。何をすればよいのか、どこをカバーすればよいのかがわかるからです。私がロープを使って各プレーヤーにどこまでがテリトリー(カバーすべき場所)かを目で見せて理解させるのはそのためです。
自分たちはここをカバーすればよいと、テリトリーを理解したチームは、サービスを打った後にリターンが2人の真ん中に返ってきた場合、ほとんどが最初からネットにいる前衛のボールで、サーバーはそれほどケアしなくてよいということがわかります。
ダブルスの真ん中とは、センターベルトではなく2人の真ん中です。
その真ん中はよく抜かれやすいと言われますが本当でしょうか。私は2人がダブルスのシステムを理解し、テリトリーを守れば、真ん中を抜かれることはないと考えています。
真ん中を抜かれるときは、クロスコートのプレーヤーがワイドのショットを気にして、サイド寄りに構えているときです。そのときは真ん中が手薄です。ワイドのショットというのは、ボールスピードが落ちなければコートには入りませんので、そのボールはあらかじめワイドに寄って待たなくても追いつくことができます。つまり、クロスコートのプレーヤーはサイド寄りに構える必要がありません。もちろんレベルが上がると、ワイドを狙うボールスピードも精度も上がってきますが、そのレベルになれば相応の動きの速さも身につけているはずですので、ワイドのボールはそれほどケアしなくても取れます。12歳のジュニアでもプロでも同じ考え方でよいでしょう。
2人がネットについてクロスラリーになった場合の2人のポジショニングの目安としては、クロスコートのプレーヤーの内側の足がセンターにかかるくらいがよいでしょう(写真○)。
クロスラリーのとき、クロスのボレーヤーはセンター寄りに構える
2人がネットについてクロスラリーになった場合の2人のポジショニングの目安は、それぞれのテリトリーの真ん中に構えることと、クロスコートのプレーヤーの内側の足がセンターにかかるくらいがよい。それほどワイドをケアする必要はなく、ワイドのボールはスピードが落ちるので十分取れる。
2人の真ん中にはパワーショットが多くなるのでこれを塞ぐ!
2人の真ん中にはパワーショットが多くなります。なぜなら比較的ネットの低いところを通せるからです。それを2人で塞ぐことが大切です。ボクシングの“ジャブ”ボレー/ハンドボレー(前号解説)を思い出しましょう。ネットに詰めてテリトリーを狭め、準備をしておけば、十分“手”は出せるはずです。またロブが上がったら大きなステップでサービスラインを越えるまで2人で下がれば、どちらかが必ずスマッシュを打てます。よほど完璧なショットを打たれない限り、真ん中も頭上も抜かれることはありません。
Q 2人がネットにいるときは、ミニ雁行陣がよいですか、それとも平行を保つべきですか?
A アメリカのテニス界では2人が平行(横並び)であるべきではないという意見が多いです。いわゆるミニ雁行陣の形を維持すべきだという意見です。しかし、ツアーを見渡すとほとんどのチームが平行(横並び)に近い陣形をとっていますし、私は2人が心地よくプレーするために平行(横並び)を提唱しています。2人がダブルスのシステムを理解していれば問題ないと思います。
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