身体をリフレッシュ! 夏だからこそ入浴リカバリー

イラスト◎もりおゆう

いよいよ暑くなってきた! プレーのあと、夏はシャワーで済ませる…… そのほうが爽やかなイメージがあるけれど、 汗を流すだけではもったいない。シャワーではなくバスタブに浸かると、 夏の様々な環境が引き起こすマイナス要素を 取り除いてくれる効果がある。 「夏だからこそ」、入浴を積極的な 全身リカバリーに活用すべきだ。(テニスマガジン2019年8月号掲載)

文◎松尾高司(KAI project) イラスト◎もりおゆう

※以下は2019年8月号(2019年6月21日発売)掲載時の内容です。

日本人は古代から温泉に 浸かる効果を知っていた  

「日本には四季がある」。それが日本の風情や豊かな情緒を生むのだが、テニスプレーヤーにとっては、冬のテニスは寒さとの戦い、夏は汗と紫外線、疲労との戦いだ。

 夏のテニスが好きな人は、炎天下の中でも動いて・走って・飛んで、頑張る自分が好きだし、疲れれば疲れるほど、充実感を得る傾向がある。

 でも「疲れ」って、そのままにしておくと、疲労蓄積によって重大な問題を引き起こすことが少なくない。日本では古代から回復のために『温泉』が利用されてきたように、「温浴」には確かな効果があり、その成分にも価値があるとされてきた。

 確かにモーレツにかいた汗をシャワーで流すのは爽快だし、その後のビールが待っていることを考えると、早く済ませたい……気持ちは重々わかるが、明日のことを考えるなら、シャワーよりも入浴がオススメなのだ。

夏にはこんな機能障害や トラブルが起こりやすい

 夏のオンコートでは、過剰な運動による疲労蓄積・熱中症・紫外線など、いろんなことが身体にダメージを与えるが、とても快適に思えるクラブハウスの中にも、夏の危険が潜んでいる。

 それが「冷房による身体の冷え」で、日常のオフィスでは大きな問題にもなっている。夏は「暑い」というだけでストレスになり、食欲不振や寝つきが悪いなど、「暑さ」は「地獄」、逆に冷房のきいた室内は「天国」と思われがちだが、実はこれがいろんな悪さをする。

 というのも、暑い屋外と涼しい室内の温度差が問題で、屋外 室内の出入りが多くなると、体温調節機能が追いつかなくなり、自律神経のバランスが崩れ、身体の調子が悪くなってしまう。

 また冷房のきいた室内にずっといると、身体が冷えてしまい、血行が悪くなる。それに伴ってリンパの流れも悪くなり、代謝機能が低下してエネルギーが燃焼しにくくなり、老廃物も体内に溜まりやすくなる。夏になると「むくみ」や「だるさ」を感じやすくなるのは、こういった悪循環によるものなのだ。

 プレー環境や仕事環境のせいでそうなってしまうのは仕方ない。だからこそ、良好ではない体内環境を改善しようと「リカバリー」という考え方が生まれた。

 その分野で考えると、運動後はシャワーよりも、バスタブに浸かる「入浴」のほうが、夏のリカバリーには最適なのだ。

ベスト体温は36.5℃ 低体温は身体に重大問題

 風邪などを引いて、熱があるかな?と取り出すのが体温計だが、体温は「高熱」だけが問題ではない。実は「低体温」が疾病の原因となることもある。

 長年の研究により、人間にとって最適な体温は「36.5℃」というのが定説となっている。この範囲をちょっとだけ外れた36.0℃になると、我々はブルブル震え始める。わずか0.5℃下がっただけで、人間の身体は激しく反応するわけで、それほど体温は重要なのだ。

 さて、こうした低体温が長く続くと、血液やリンパの循環障害だけでなく、自律神経失調症、アレルギー症状、排泄機能低下などの問題が出てくる。さらに35.0℃というのが注目の体温で、「ガン細胞がもっとも増殖しやすい温度」と言われている。

 人体にはさまざまな臓器・部位にガン細胞が根づくが、「心臓ガン」「脾臓ガン」というのはゼロである。なぜなら、この2つの臓器は常に高温状態にあるため、ガン細胞が嫌がるのだ。

 このように、体温を高めに保つことは、単に血の巡りがいいねってだけではなく、体内の免疫効果を高め、さまざまな疾病を寄せつけない身体を作ることに役立つわけである。

 さらに知っておいてほしいのは、身体の表面だけを温めるのではなく、体内の深部まで温めてやることが重要だということ。お湯の温度自体で身体の芯まで温めるのは容易じゃないから、体表近くの血管を拡張させ、血行促進によって、深部を温める。そのためには、ぬるめのお湯に長く浸かることがいいと言われている。

 体温のこと、入浴のこと……とても身近なことすぎるけど、この機会にちょっとだけ理解を深めてみよう。



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