綿貫陽介「50の質問」早くツアーの舞台で活躍する姿を見てもらいたい|Player File 9
「ボブさんに喜んでもらえるような選手になれるよう頑張っていく」
Q22 好きなグランドスラムは?
「難しいですね。メルボルンやニューヨークのお祭り的な感じも好きですし、パリも歴史を感じさせる。でもやっぱり一番はウインブルドン。テニス選手としては重みが違います」
Q23 好きなサーフェスは?
「ハードですね。インドアのちょっと速めの。そんなに好きではなかったんですけど、勝率がいいから合っているのかなって」
Q24 好きな選手、憧れの選手は?
「トップ選手はみんなかっこいいので、いっぱいいるんですけど。特にアンディ・マレー、ニック・キリオス、年下ですけどアレックス・デミノー。いろいろ言われながらも自分を貫いている感じがいい。マレーなんて“BIG4”と言われるようになるまで時間がかかりましたけど、“BIG3”相手に頑張っていた姿は感動しながら見ていました」
Q25 自分のプレースタイルを自己分析すると?
「相手がやられて嫌なことをしていきたいと思っていて。うまくカウンターをとっていったり、逆にラリーを長くしたり。その中で、サービスでポイントが取れるというのは自分にとって大きいと思います」
Q26 どんな展開でポイントを取ったときが一番気持ちがよい?
「相手が一番得意な気合を入れてきたショットをさらっとカウンターで返すのが一番気持ちがいいですね(笑)」
Q27 一番悔しいポイントの取られ方は?
「ロングラリーでポイントを取られたとき。自分の得意な場面でもあるし、自分のエラーだろうが相手のウィナーだろうが実力でポイントを取られたという感じになる。それが続くと、何か変えないと、と焦ってきてしまうのが本音です」
Q28 試合での調子のバロメーターは?
「それぞれにありますね。サービスはここという場面で集中したときにミスが出ないか。ストロークではフォアハンドの当たりがよいかどうか。バックハンドですごく調子が悪いということはあまりないので」
Q29 自分のメンタル面を自己分析すると?
「ムラが多いタイプだと思います。ショットのばらつきは相手にとってやりにくい面もあると思うので、大事な場面で悪いほうに出ないように。乗っていけるときはグッと上がるので、落ちたときの時間をどう短くするかですね」
Q30 技術面で改善していきたいところは?
「ツアーの中でどんどんラリーのペースも上がっているし、相手のレベルが上がると後ろに下がったり、ディフェンスに回ることも多くなってきているので、もっと自分からフォアで展開する場面を多くしたいです」
フォアハンドをさらなる武器とするために今オフも向上に余念がなかった
Q31 そのために必要なことは?
「フットワークもそうだし、打点も修正していきたい。スイングスピードを上げたときのミート率というか、きれいに当てるということは意識しています。下がってはいけない場面で下がらずに自分の展開にもっていくためには、やっぱりフォアハンドがカギになっていくと思います」
Q32 先日、亡くなられたボブ・ブレットさんから綿貫選手が受けた影響は大きかったと思いますが、あらためてどんな存在でしたか?
「修造チャレンジのトップジュニアキャンプで小学校6年生くらいからお世話になって。松岡修造さんも含めて、あの年代で世界のトップを知っているボブさんたちと関われた時間というのはすごく貴重な時間でした。当時はよくわかっていなかった部分もありますが、プロになって経験を重ねた今のほうが、強くそう思います」
修造チャレンジも通じてボブ・ブレットにはジュニア時代から薫陶を受けてきた
Q33 コーチとして見てもらっていた時期もありましたが?
「プロ2年目くらいからの約2年くらいですね。思ったような結果が出ずに、何かを変えないといけないと思ったときに、『力を貸してください』とお願いをしたら快く引き受けてくれました。その前からNTCなどでお会いしたときに、まだ何のお願いもしていないのに親身になって相談やアドバイスをしてくれていて。具体的な指導もそうですが、海外遠征に行ったときなどにコートでは優しかった背中が心強く感じる場面ばかりでした」
Q34 心に残る言葉は?
「技術的なことも含めて本当にいろいろなことをたくさん教えてもらってきました。いつも言われていたのが、『もっと自信を持って、自分らしくプレーしたらいい』ということ。そう言われると自分の中で力が湧いてきたし、それは今でも変わらない。あれだけ偉大だったコーチにとって、僕は最後の選手。そのことを胸に刻みながら、ボブさんに喜んでもらえるような選手になれるよう頑張っていきます」
Q35 プロ2年目の17年以降を振り返ると?
「グランドスラム・ジュニアも経験して、全日本でも優勝して、もっと早くステップアップしていける、ランキングも上げていけると思っていたのですが、それがなかなかできず、自分の中で焦りや不安がありました。それでも前に進んでいかなければならないのは、きつい部分もありました」
Q36 転機となったのは?
「2019年のシーズンですね。3月に自己最高の171位になってから我慢の時期が続いていたのですが、耐えて耐えて、年末に兵庫チャレンジャーで優勝できたのは自分の中で大きかった。ATPツアーに向けての最初のステップを越えられたという意味で、気持ち的にもきっかけをつかめた年でした」
19年兵庫チャレンジャー優勝は大きな自信に。写真は優勝を祝して所属の日清食品から送られた花束
Q37 2020年はどんなスタートでしたか?
「オーストラリアン・オープン予選には入れなかったのですが、こういうスケジュールで回ることを習慣づけようと、オーストラリアのチャレンジャーからスタートしました。その後のアメリカ遠征でもクリーブランドのチャレンジャーで準優勝したり、結果以上に内容で手応えを感じていたので、このまま行ける! と思っていました」
Q38 デ杯のエクアドル戦を最後にコロナ禍でツアーが中断してしまいました。
「錦織圭君をはじめ、あのメンバーの中で一緒に生活できたのは楽しかったですし、もしかしたら自分に出番があるかもしれないという緊張感の中で時間を過ごせたのはいい経験になったのですが……」
Q39 ツアー中断期間はどう過ごしていましたか?
「2019年のUSオープンでぎっくり腰のような症状が出てしまって、昨年の6月くらいにまた痛みがぶり返してしまいました。そのリハビリに時間をとられ、ツアー再開に向けて思うように準備ができなかったところはあります」
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