日比野菜緒「50の質問」見ている人に『輝いてるな』と思ってもらえるプレーがしたい|Player File 3
「オリンピックはメダルを獲らないと面白くない大会」
Q31 竹内コーチの指導はどんな部分が心に響きますか?
「最近、“言わない”ということがどれだけ大変なのかということに気づいたんです。映二さんはすぐに答えを与えるのではなく、じっと見守りながら、いろいろなことに自分で気づくまで待ってくれる。自分もちょっと大人になってきて、それは簡単なことではないとわかるようになってきて。映二さんの寛大さ、我慢強さに気づいたときには鳥肌が立ちました」
Q32 花キューピットオープン決勝は土居美咲選手との日本人対決でした。
「愚痴みたいになっちゃうんですけど、もうちょっと注目されてもよかったのに(笑)。土居さんとも『私たち、けっこう頑張ったのにね』みたいな感じで」
Q33 単複優勝でした。
「そこは土居さんに感謝です。シングルスの直後にダブルスだったんですが、負けた相手である私とのペアでも、気持ちを切り替えて一緒に優勝を目指してくれましたから」
Q34 土居選手はどんな存在ですか?
「土居さんと奈良くるみさんも、より身近な存在として尊敬している選手です。世界の中では小柄な体格で30位まで行くことがどれだけすごいことなのか、自分も100位を切ってみてよくわかったので。だから日本でのツアー決勝という最高の舞台で土居さんと戦えるのはすごくうれしかったし、ベストを尽くしてすべてを出し切ろうと思っていました。勝つことができて、泣きましたね」
土居とは昨年、花キューピットオープンの決勝を争い、ともにダブルスを制し、東レPPOテニスでもペアを組んでベスト4に進出した
Q35 穂積絵莉選手、尾﨑里紗選手、加藤選手、二宮真琴選手といった同年代である94年組はどんな存在ですか?
「ジュニアの頃は同世代の選手たちを追いかける立場でした。中学を卒業して留学し、1年半後に帰国したときはアメリカの大学に行くのか、プロになるかで迷っていたのですが、彼女たちに勝ちたいという思いでプロになることを決断して。プロになってからもナショナルチームにいたみんながどんどん上に行くのが悔しくて、自分も頑張っていました。彼女たちがいなければプロになっていなかったかもしれないですし、どんなときでもその存在は大きいです」
Q36 あらためてラボはどんな場所ですか?
「先ほども言いましたが“第二の家”ですね。コーチ陣も本当にテニスが好きで、選手を強くしたいと思ってくれている。何より同じ環境で、一緒に切磋琢磨できる選手たちがいるというのはすごく励みになります」
Q37 2020年はどんなスタートでしたか?
「『よし、これからだ!』って。花キューピットオープンの優勝があって、ようやく自分のテニスが形になりつつあって、自信を持って試合に臨めていたところだったのですが……」
Q38 新型コロナウイルスの影響でツアーが中断されました。
「試合がないのに、なんでこんなきつい練習やトレーニングをしなければならないんだろう、試合をしないテニス選手に価値があるのだろうかと、けっこう悩みましたし、モティベーションもガクッと落ちてしまいました」
Q39 そこからどう立ち直ったのでしょうか?
「知り合いに『自粛期間中はいろいろな動画を見て気分転換をしている。もちろんスポーツの動画も』と言われたときに、私たちがしてきたことも少しは人の役に立っているんだなと気づくことができて、また頑張ろうと思うことができました」
Q40 「BEAT COVID-19 OPEN」での久々の実戦はどうでしたか?
「肩に痛みがあり大事を取って途中棄権してしまったのですが、練習試合とは違う緊張感を感じて楽しかったです。負けたら悔しいし、勝つためにテニスをしているんだなということが再確認できました」
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