日比野菜緒「50の質問」見ている人に『輝いてるな』と思ってもらえるプレーがしたい|Player File 3



Q21 試合中もネガティブですか?

「試合のときはちょっと違いますね。予想しなかったことや思いどおりにならないことが多いので、頭の中だけでポジティブになろうとするのではなく、ポジティブなアクションを取るようにしています。『笑顔で悪いことは考えられないでしょ』と言われたので、それを実践するようにしています」

Q22 試合の中で自分の調子のバロメーターは?

「バックハンドのダウン・ザ・ラインが決まるときは調子がいいですね。逆にバックのコントロールが狂うということは、足が動いていなかったり、何かがずれているとき、と思っています」

Q23 誰かの何かがひとつもらえるとしたら何が欲しいですか?

「シャラポワ選手のメンタル! 1ポイントへの執着心とか、あのメンタルは唯一無二ですし、あんな選手は見たことがない。なろうと思っても簡単になれるものではないと思います」

Q24 技術面で改善したい点は?

「フォアハンドはまだバックハンドに比べると落ちるので、バックと同じくらい自信をつけていきたいです。サービスは少しずつ良くなっているのですが、リターンはまだまだ良くできる。フォアとリターンも武器にできるくらい練習していきたいです」

Q25 一番思い出に残っている大会は?

「やっぱり昨年優勝した花キューピットオープンです。ずっとあまり調子が良くなくて、映二さんは『1回戦で負けて一度落ちるところまで落ちればいい』くらいに思っていたらしんですけど、そこからの優勝だったのですごく喜んでくれて。2015年にタシケントでツアー初優勝したときは何もわからず、必死でやっていたら優勝してしまったという感じで、すごさもよくわからなかったんですけど。その後、準優勝が3回続いて、『優勝したい!』と思っている中での優勝は格別でした!」

Q26 武器であるバックハンドストロークをセルフ解説してください。

「無理です(笑)。よく聞かれるんですけど、バックハンドは本当に感覚で打っているので。昔から何も考えずに打っていたし、打てていた。だから説明が難しい。どんなときでも体重を乗せて、踏み込んで打てるからうまくいくのかな。あとは上がりっぱなを打つということくらいですけど、そのタイミングも気にしたことがない。自分での言うのもあれなのですが、それくらいバックハンドは上手だと思います(笑)」



Q27 花キューピットオープンでツアー2勝目を挙げるまでは少し停滞していましたが、メンタル面でつらい時期もありましたか?

「ありました。ツアーを転戦し続けることへの疲れみたいなものも出てきていたし、その中でトップ100に戻ることができず、130位前後を行き来していた時期はつらかったですね」

Q28 停滞してしまった理由は?

「もちろん理由はひとつではないのですが、テニスを楽しめなくなっていました。常にオリンピックというのは自分の中で大きな目標ですけど、リオデジャネイロ五輪のあとは大きな目標が見えなくなり、トップ100にも入れなくて目先の結果ばかりを追うようになってしまった。過程を楽しめなくなっていました」


2016年には大きな目標だったリオデジャネイロ五輪に出場を果たしたが……

Q29 花キューピットオープンはその停滞から抜け出すきっかけになりましたか?

「ウインブルドンも予選1回戦で負けて、東京オリンピックも1年後に迫ってくる中で、映二さんとも『得意のハードコートシーズンに向けてまた頑張ろう』と話しながら、気持ちが少しずつまた前を向いていきました。試合での結果には結び付いていなかったんですが、練習では手応えを感じ始めて。花キューピットオープンではまた楽しんでコートに立てていた、というのはありましたね」

Q30 竹内映二コーチはどんな存在ですか?

「もう、お父さんみたいな(笑)。実際、父親より一緒にいる時間が長いですし、父親より私のことを知っているかもしれない」 

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