内田海智「50の質問」グランドスラムに出てはじめてプロのテニスプレーヤー|Player File 13



Q35 13年4月にプロ転向し、IMGアカデミーを拠点にした理由は?

「生活面でも親に甘えて頼り切りだったので、このままではダメだと。アメリカに行けばひとりで生活しなければならない。もちろんトップ選手と練習できる環境もある。テニスで強くなることに加えて、大人として自立するためにアメリカに行きたいと思いました」

Q36 ジュニアのときからアメリカ行きを考えていた?

「父親にコーチをしてもらってITFジュニアランキングでも3位になるなど結果は出ていたので、ずっと揺らいでいました。修造さんにも相談したら『海智は語学的にも性格的にも日本にいたほうがいい』と最初は言われたんです。でも『どうしても行きたい気持ちがあるなら、行ったほうがいい』と。それで最終的には自分で行こうと決めました」


プロ転向会見には尊敬する松岡も同席。多くの助言を得てきた

Q37 IMGアカデミーの環境はいかがでしたか?

「施設はすごいし、温暖で一年中安定した練習ができるし、レベルの高い練習相手もたくさんいるけど、特別な練習やトレーニングのやり方があるわけではありません。ただ海外の選手たちの自己主張の強さには驚きました」

Q38 海外選手の自己主張の強さは自分の刺激にもなった?

「自分でいろいろな表現をしてコミュニケーションをとる選手が多い。そうすることで自分に必要なものを引き寄せていく。確かに黙っていても周りは手助けしてくれませんから。バランスは大事ですけど、やっぱりそうあるべきだなと思います」

Q39 同じIMGアカデミーの錦織圭選手はどんな存在ですか?

「中学生のときに修造チャレンジで圭君の映像を見せてもらって、『かっこいいな』『ああなりたいな』と思ってプロを目指したので。きっかけをくれた人です。今はプライベートでも仲良くさせてもらっているのですが、たまに『早くツアーまで来てよ』『頑張ってね』と言ってくれる。少しは期待してくれているのかなと思うので、早くツアーのレベルまでいって期待に応えたいし、いつかツアーの舞台で戦いたいと思います」

Q40 プロ転向からのキャリアを振り返ると?

「2年前にやっとフレンチ・オープンでグランドスラムの予選に出ることができたというのは、もちろんプロになったときの理想とは違います。ただ、プロになってからもたついてはいるかもしれないけど、少しずつでもランキングはずっと上がり続けている。急激に落ち込む時期がなかったという意味では充実していると思います」


いまだチャレンジャー優勝には手が届いていないが、ゆっくりと着実に階段を上っている

Q41 メンタル的にきつい時期はありませんでしたか?

「テニスが怖くなって自信をなくしたり、モティベーションを失ってランキングを落としていく選手をたくさん見てきました。僕もそういう気持ちになりかけたことは何回もあります。でも、プロになるときに記者会見で『世界で活躍するテニスプレーヤーになることを誓います』と口にして、その気持ちをずっと持ち続けながらやってこれている。だから、周囲にはもうちょっと待ってほしいなという気持ちです」

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