内田海智「50の質問」グランドスラムに出てはじめてプロのテニスプレーヤー|Player File 13



めんどくさがりの僕が人生の中で唯一、本気になれたのがテニス

Q42 コロナ禍によるツアー中断を経て、昨年末から再びツアーを回り始めましたが手応えは?

「最初のチュニジア遠征の1万5000㌦大会で準優勝、優勝と結果が出ましたが、いつも以上に泥臭く戦いました。コロナ禍で次の試合がいつになるかわからない状態でしたし、実際4週間で4大会の予定が4週目は突然キャンセルになりました。決して内容はよくなかったですが、勝ちに徹した我慢の戦いを表現できたと思います」

Q43 今年3月のデビスカップ・パキスタン戦でメンバーに初選出されたときの思いは?

「岩渕聡監督から電話がかかってきて『海智をメンバーに推薦しようと思っている』と言われて、最初は『何を言っているのかな』と思いましたね(笑)。でも、実際に自分が代表メンバーになれるチャンスをいただいたので、覚悟を決めました」

Q44 初めてのデ杯戦はどうでしたか?

「シングルスで勝つことができたのですが、あれほど緊張した試合はないですね。チームの中に入ることで、たくさんのスタッフが選手のために動いてくれていることがわかったし、『この人たちのためにも勝ちたい』と自分で自分にすごいプレッシャーをかけていました。普段は淡々と試合をするんですけど、気合全開で(笑)。チームの応援もあったし、コート上でも全力で自分を表現して戦ったことで、自分のプレーだけに集中できたような感じでした」


驚きのデ杯初選出もしっかりと役割を果たした

Q45 デ杯は今後のモティベーションになる?

「やっぱりもう一回戦いたいです。今回は日本の上位選手は出場していなかったですが、上の選手たちに食い込めるようにランキングを上げて、ワールドグループで戦えたら最高に楽しいだろうなと思います」

Q46 デ杯からそのまま約2ヵ月の海外遠征に出ましたがどうでしたか?

「ポルトガルの2万5000㌦大会では優勝したものの、そこから6大会連続の1回戦負け。そのうち5大会はチャレンジャーで、やはり簡単には勝てない。もっと相手を分析して、穴を探して、そこを突きながら自分の得意なパターンにもっていくことが必要だと感じました」

Q47 コロナ禍で海外遠征に行く難しさを感じますか?

「アジア圏ではほとんど大会がないので、まず移動の不安がある。無事に入国できるのか、出国できるのかという不安もあるし、国の状況も一日でいろいろ変わる。いきなりロックダウンになるかもしれないし、いろいろな不安を抱えながら回らないといけない。でもテニスで世界を目指すのであれば、苦しいですけど今はそこを受け入れるしかありません」

Q48 今後の目標は?

「まず、今回の遠征のような負け続けは絶対にしない。しっかり勝っていって、まずはまたグランドスラムの予選に入れるように取り組んでいきます。自分の中ではグランドスラム本戦に出て、はじめてプロテスプレーヤーだと思っているので。自分の求めるプロテニスプレーヤーになるために、グランドスラム本戦に出るということはずっと口にしていきたいと思います」

Q49 内田選手にとってテニスの魅力とは?

「テニスの魅力がどんなものか説明はできないですけど、自分の中で何かよくわからない魅力があって、めんどくさがりの僕が人生の中で唯一、本気になれたのがテニス。それが僕にとってのテニスの魅力です」

Q50 最後にファンへのメッセージを。

「日本でプレーすることが少ないので、プレーをお見せする機会がないですし、僕の名前は知っていてもプレーは知らないという方がほとんどだと思います。それでもグランドスラムを目指して頑張っていきますし、いつか大きな舞台でプレーする姿を見ていただきたいと思うので、それまで名前を覚えておいてもらえるとうれしいです」

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