清水悠太「50の質問」グランドスラムに出てはじめてプロのテニスプレーヤー|Player File 12
将来、上に行ったときに目立つ可能性があるので、この身長でいいかなと(笑)
Q23 自分のプレースタイルを自己分析すると?
「フットワークを生かして、相手の嫌なところを突きながら揺さぶって、相手を崩していくタイプです」
高い身体能力を生かした抜群のフットワークが生命線
Q24 やはり組み立てが重要ですか?
「今回の遠征であらためてそのことを感じました。海外の選手を相手にすると一発では通じないですし、パワー負けもする。体力的にはそれなりに自信があるので、手数をかけて相手を崩していくことを常に考えないといけません」
Q25 どんな展開でポイントを取ったときが一番気持ちがよい?
「相手を少しずつ揺さぶって、最終的には前で、ネットプレーでポイントを取るのが理想のプレーですし、思いどおりにいったときは気持ちがいいです」
Q26 どんな展開でポイントを取られたときが一番悔しい?
「パワーで押し切られたときは悔しいですけど、自分よりしつこいプレーでやられたときもきつい。自分がそこで頑張っているので、上を行かれると厳しいし、悔しいです」
Q27 163㎝というサイズを自分でどうとらえていますか?
「もっと伸びてくれると思っていたんですけど(苦笑)。でも、このサイズだからできていることもあるし、将来、上に行ったときに逆に目立つ可能性があるので、今はこの身長でいいかなと。自分としてはでかいよりいいかなと思っています(笑)」
Q28 自分のメンタル面を自己分析すると?
「まだ試合の中で弱い部分があります。マイナスの方向に考えがちで、そうなるとやるべきことがおろそかになったり、考えるべきことを考えられなくなったりする。もっとプラス思考でいかないとダメだなと思います」
Q29 技術面で改善したい点は?
「ボレーの精度は上げないといけないし、スライスも磨かなければいけない。ただ、今回の遠征で海外選手と対戦して、あらためてサービスとリターンは大事だなと思いました。もっと向上させていきたいです」
Q30 自分の一番の武器は?
「バックハンドですね。ほかのショットはいろいろ考えながらやってきたのですが、バックハンドは唯一、コースも球種も悩んだことがないショットです」
自在なバックハンドは組み立ての大きな武器となる
Q31 バックハンドが得意な理由は?
「テニスは左利きで、書くのも左だけど、投げるのは右だったり、普段から両利きのような感じなので、バックハンドも右のフォアハンドの両手打ちのような感覚で打てているからかもしれません。ゴルフは右打ちなのもそれが理由なのかな」
Q32 あらためてラボの存在は大きいですか?
「コーチ陣のレベルがすごいし、一緒に戦えるライバルもたくさんいる。グランドスラムの舞台で戦っている選手もいて、憧れるし、刺激になる。それでいて同じところを目指している選手が多いので雰囲気もいい。第二の家族みたいで、すごく温かい場所です」
Q33 18年4月にプロ転向して順調なスタートでしたか?
「プロにとって何が正解かわからない中、フューチャーズ3大会で優勝できたので、いいスタートだったと思います。そんなに優勝できると思っていなかったので。2年目も同じ3大会優勝でしたが、1年目よりレベルの高いところで勝てた。順調だったかなと思います」
Q34 19年の全日本での準優勝を振り返ると?
「日本の大会では全日本ジュニアの次の夢が全日本だったので、優勝したかった。絶好のチャンスだったんですけど……」
19年の全日本ではケガを抱えながら頂点まであと一歩に迫ったが……思いが強かっただけにスピーチでは涙が止まらなかった
Q35 20年は出場3大会で2大会優勝と絶好のスタートを切る中、コロナ禍でツアーが中断してしまったときの思いは?
「毎年、最初の滑り出しはよくなかったのですが、今年はいいスタートが切れたときに止まってしまって、ついてないな、と……。まさかツアーがストップするとは思っていなかったし、これからどうなるのかもわからない。どうしたらいいんだろう、と最初はすごく混乱しました」
Q36 どう切り替えていきましたか?
「試合がないから練習しかできることがないので、この期間をチャンスだと思って練習に打ち込むようにしていました。練習して、うまくなって、もっと強くなれば戦績も出るなと」
Q37 試合がない中で難しい部分はありませんでしたか?
「モティベーションの面では少し難しかったです。世界の選手たちがどんな感じなのかわからないし、僕は試合をやる中でつかんでいくものがあったりするので、どんなに練習をしても『これでいいのかな』というモヤモヤをずっと抱えていました」
Q38 復帰戦となった昨年10月の全日本を振り返ると?
「緊張なんてしてないつもりだったのですが、プレーの内容を振り返ると知らないうちに緊張していたのかなと思います。第1シードでしたし、練習の成果を出したかったのですが……。これだけ練習してきたのに結果も出ない、練習してきたこともできないという難しい大会になってしまいました」
前年のリベンジを期した20年の全日本は本領を発揮できずベスト8にとどまった
Q39 その後、ITF大会があまり開催されず遠征に行けなかった時期は何を思っていましたか?
「『また練習か』という感じでしたね。『このまままでいいのかな』と思いながら、でも練習を頑張るしかないという状態でした」
Q40 上位選手のツアー大会やグランドスラムが行われている中で不公平感はありませんでしたか?
「大会数が少ないからカットラインも上がって、普段ならチャレンジャーの予選に絡むランキングなのに出られない。残念な気持ちがありますけど、どのみちレベルの高い中で勝っていかないといけないから、あまり不公平だと思っていても仕方がないかなと思います」
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